青木瀬令奈、山路晶に聞いた「コンボアイアン」のススメ! 軟鉄鍛造と中空モデルを組み合わせて採用する理由とは?
「やっぱり『P・770』のほうはミスヒットに強くてやさしいんです。ただ6番までは『P・7CB』のほうが縦距離を合わせやすく感じています」(山路晶)
「P・7CB」は軟鉄鍛造モデルですが、ソール内部のトウ寄りにタングステン、中央にはセラミックコアを封入した複合素材の構造で打感や操作性は損なわずに重心位置を最適化したモデル。ヘッドスピードのある山路選手は、6番アイアンまで「P・7CB」をセッティングしています。
同じ6番の「P・770」を5番アイアンの代わりにセットしていますが、面白いことにロフト角は同じ29度です。このモデルは、軟鉄の中空ボディに反発の強いフェース素材とフォームを充填することで打感を確保しながら飛距離や弾道の高さを売りにしています。そのため、「P・7CB」の6番は170ヤード、「P・770」の6番は180ヤードと10ヤードの飛距離差が生まれます。
「770」とはフェース長を表し、コンパクトで「P・7CB」と組み合わせても違和感のないサイズと形状になっています。 スリクソンとテーラーメイドに共通するのは、コンボにすることを前提に設計されている点です。そのため組み合わせても違和感のないフォルムやソール形状を持ち、打感の違いも最小限に収めています。どの番手で組み合わせるかは、ダウンブローの強弱やヘッドスピードなどのインパクト条件によって選ぶとよいでしょう。
もちろん山内日菜子選手のように、中空構造の「P・770」を通しでセットする選手もいますので悩ましいところでもありますが、それもゴルフの楽しみ方の一つ。コースによって組み合わせる番手を変化させるのも大いにアリだと思います。 写真/中村修
プロゴルファー・中村修