トケマッチ社長が国際手配の一方で…大盛況の高級時計商戦を牽引する「年商550億円企業の中身」
高級時計を資産として扱い、購入・売却をする人が増加している。 そんな中、事件は起きた。高級時計のシェアリングサービス「トケマッチ」の運営会社「ネオリバース」がオーナーから預かった高級腕時計を無断で売却し、1月31日にサービスの終了と運営会社の解散を発表した。 【圧巻の風景】すごい…!ズラリとテーブルに並べられた「総額5億円」の高級腕時計たち…! 「『トケマッチ』は所有者から預かったロレックスなどの高級時計をレンタルし、その収益の一部を所有者に支払うサービスです。被害本数は140本、被害額は少なくとも2億4000万円(3月12日時点)。未返納は900本で総額19億円にのぼるといわれています」(全国紙記者) 運営会社解散と同時にドバイ(UAE )に向けて出国したとみられる会社の元代表、福原敬済容疑者(42)と元社員の永田大輔容疑者(38)に警視庁は業務上横領の疑いで逮捕状を取得。3月28日には国際手配が出されたことがわかった。 すでに外務省からパスポートの返納命令が出されており、4月12日までに返納しなければパスポートが失効し、不法滞在とみなされる可能性がある。 『FRIDAY DIGITAL』は再三にわたり、この事件について取り上げている。その際に、中古高級時計の個人売買の問題について語ってくれたのが年商550億円を誇る高級時計買い取り専門事業を展開する『株式会社陽吉グループ』の吉山亨社長だ。メルカリなどのフリマアプリやサイトで高額商品が自由に売買できるようになったことで、 「今後このような問題はますます起きるだろう」 と語った。そして、このようにも注意喚起している。 「皆様には、会社情報を必ず見ていただきたいです。登記住所は信用のある大きなビルにあり、レンタルオフィスではなく必要な社員数がおり、Google検索して実態があるか、取引先銀行にメガバンクがあるか、顧問弁護士や社労士はいるか、運営の実態をきちんと調べてほしいです。 また帝国データバンクのような実績のある信用調査会社などの評価や売上実績、資本金は最低でも数千万円などの規模も含めて、高額時計を依頼するわけですから企業としての価値をしっかり見定めていただきたいのです」 必要なのは”信頼関係”を築けるだけの価値があるかどうかと語っていたが、では、吉山氏が運営する『陽吉』は一体どうやってその信頼を勝ち得たのだろう。実態を探るために会社に訪問させていただいた。 ◆入り口は殺風景な鉄扉なのに一歩中に入ると…… 東麻布(港区)にある綺麗なガラス張りのビルに『陽吉』はある。殺風景な廊下の途中に何の変哲もない白い鉄扉。その横に『陽吉』という会社のプレートとオートロックシステム。とてもじゃないが、年商550億円を誇る企業の入り口とは思えない。 ところが、その鉄扉を開けた途端、景色は一変する。会社のエントランスは全面鏡張りになっており、正面には外国映画に出てくる銀行強盗が四苦八苦しそうな、どデカい黒い扉がデーンと構えている。その雰囲気は、正直かなり不気味だ。そして、扉を開け中に入るとエントランスの雰囲気とは打って変わって白を基調とした明るく広い空間が……。 そこには全面ガラス張りのオープンスペースが広がっており、まるで製薬会社のラボ(実験室)のような張り詰めた緊張感が漂っている。テーブルの上には、専門店でもお目にかかれないような数の500万円を優に超える超高級時計がズラリと並べられていた。その総額は、5億円をも超えるという。しかし、 「明日にはほとんどここからは無くなってますよ」 と、笑顔で吉山氏は語る。どういうことなのか。 「ここにある時計は全て昨日仕入れたもので、今日中に検品などをして、貿易会社を経由して世界中の購入者に配送します。だから大きな金庫は必要ないし、ここに時計があるのもたった一日だけです。今日また別の便で3億円相当の時計が届き、検品して明日発送。その作業を毎日繰り返しています」 高級時計商戦はますます活況になることだろう。
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