25か月連続でマイナス 実質賃金いつプラス?【Bizスクエア】
物価の変動を反映した4月の実質賃金は減少の幅は縮小したものの、25か月連続でマイナスに。実質賃金のプラスへの転換はいまだ見通せない状況だ。 【写真を見る】25か月連続でマイナス 実質賃金いつプラス?【Bizスクエア】 ■実質賃金25か月連続でマイナス 「定額減税セール」で消費喚起 東京・台東区の百貨店「松屋浅草」。6月1日から始まった定額減税に合わせたセールが行われていた。1人あたり4万円の減税にちなんで、通常5120円の国産黒毛和牛が4000円で提供されるほか、和牛を使った高級ビーフカレーの詰め合わせセットも1パック分お得な4000円に。 2人暮らしで8万円の減税となる50代の女性客は「少し贅沢なものを買える。夏休みの旅行で沖縄の方に行こうかな」という。松屋浅草の鈴木章浩営業部長は「定額減税導入を機に消費動向の変化に繋がり、購買に繋がって売上アップに繋げられれば、我々としては大変ありがたい。6月の後半から7月はボーナス月ということもあるので、プラス一品、今までは買い控えていたものを買ってみようかという“プチ贅沢”に繋がれば我々としても大変ありがたい」と語る。 大手スーパーのイオンでも定額減税セールを実施。寝具セットやテレビなど、通常5~6万円で販売している商品を税抜4万円均一で販売するなど、各社消費に期待を込めている。 岸田文雄総理: 定額減税による手取り増の効果を、国民の皆様によりしっかりと実感してもらうことで、消費者マインドを喚起し、消費の拡大やさらなる投資や賃上げにつながるという経済の好循環を実現していく。 しかし、これには消費者からも、経済界からも懸念の声が上がる。 経済同友会 新浪剛史代表幹事: 物価がどんどん上がっていく。つらいと思っている。消費押し上げ効果は政府が考えたほどにはならないと思う。 ■実質賃金25か月連続減 中小賃上げで好循環は? 今週、大幅な賃上げが実現した春闘を受けた、初めての賃金統計が発表された。物価の変動を反映した4月の実質賃金は、2023年の同じ月と比べて0.7%減って、25か月連続の減少となり、過去最長を更新した。ただ下げ幅は3月と比べて1.4ポイント改善している。