自民党総裁選が12日告示されたのを受け、経団連など経済3団体はコメントを発表した。経団連の十倉雅和会長は過去最多の9人が立候補したことを念頭に「多くの有望な方々が立候補されており、わが国の将来に向けて、活発な政策議論が交わされることを期待する」とした。 その上で、新しい日本のリーダーとなる新総裁が取り組むべき国内課題として「デフレからの完全脱却、公正・公平で持続可能な全世代型社会保障制度の構築、原子力の最大限活用や（次世代の）革新炉・核融合の研究開発推進をはじめとするエネルギー政策の展開」などを挙げた。 経済同友会の新浪剛史代表幹事は「9人が立候補したことは、党員に多くの選択肢を与えるだけでなく、国民の政治に対する関心を広く喚起する上でも好ましい」として、歓迎する姿勢を示した。27日に選出される新総裁には「令和の時代にそぐわなくなっている雇用・労働法制や社会保障制度を速やかに改革してほしい」と注文。地政学リスクの高まりに備えた経済安全保障や、デジタル化の進展を見据えたエネルギーの安定供給などの重要課題について着実な成果が求められるとの考えも示した。 日本商工会議所の小林健会頭は各候補者に対し「特に原発再稼働の推進を含むエネルギー政策のあり方や人口減少下で疲弊する地方経済の活性化など国の基盤や国力を左右する重要課題について、正面から向き合った議論を行ってほしい」と要望した。（佐藤克史）