闇バイト、熊本県内の高校生も応募 絶対に誘いに乗らないで 県警など注意喚起
横浜や千葉など首都圏で住宅に押し入る強盗事件が相次ぎ、いずれも交流サイト(SNS)を通じた「闇バイト」募集で実行役を集めたとみられている。熊本県内でも今月、高校生が闇バイトに応募し、途中で断ると脅される事案が発生した。県警は、SNSでのアルバイト募集に安易に応募しないよう、若者らに注意を呼びかけている。 県警によると、高校生は今月、SNSを介してバイトに応募し、住所や家族構成などの個人情報を募集先に伝えた。やりとりをする中で闇バイトを疑い、怖くなって断ると、金銭を要求されるなどして脅されたため、県警に相談した。 若者を中心に広がる闇バイトは、意図せず強盗や詐欺などの犯罪に加担する恐れが強い。県警は21日、防犯情報などを一斉に知らせる「ゆっぴー安心メール」で、「一度応募すると犯罪組織の手先として使われ続け、抜けたくても抜けられない」と、絶対に誘いに乗らないよう注意喚起した。 熊本市内の中学校も保護者への一斉メールで、県内の高校生が闇バイトに応募して脅されたことを伝え、「身近に起きた事案であることを、しっかり子どもに教えて」と求めた。
闇バイトは「短時間で高収入」「簡単に稼げる」「ホワイト案件」といった誘い文句でバイトを募る。募集段階では仕事内容が明かされず、応募者は強盗や特殊詐欺などの実行役として利用される。応募時に渡した個人情報を基に脅され、抜け出せなくなるケースが少なくないという。 山口県光市では21日、少年ら3人が侵入用の工具を所持し、住宅に強盗に入ろうとしていたとして強盗予備の疑いで、山口県警に逮捕された。3人は関東地方の中高生とみられ、互いに面識はなく、SNSの闇バイトに応募し、指示された現場を訪れていた。 熊本県警生活安全企画課は「万が一、闇バイトに応募してしまっても、勇気を持ってすぐに警察に相談してほしい。危害が及ばないよう家族を含め保護する」と強調する。一戸建て住宅には、施錠の徹底や防犯カメラの設置、近隣住民への声かけなど、二重三重の対策を講じるよう呼びかけている。(松冨浩之)