本当は逃げ切れた?「任意の税務調査」に甘んじた年収1,500万円、“8年間の海外勤務”を終えた45歳サラリーマンの末路【税理士が解説】
「できるなら税務調査を拒否したい」と考える人は少なくないでしょう。実際に税務調査を逃げ切ったり、拒否したりする方法はあるのでしょうか? 本記事ではAさんの事例とともに、税務調査は拒否できるのか、調査を回避する方法について、税理士事務所エールパートナーの木戸真智子税理士が解説します。 都道府県「遺産相続事件率」ランキング…10万世帯当たり事件件数<司法統計年報家事事件編(令和3年度)>
8年間、海外勤務していた45歳サラリーマン
メーカー勤務の45歳のAさんは、海外転勤によりシンガポールで8年ほど過ごしていました。子供のころに親の仕事の都合で海外に住んでいたこともあり、自分自身も海外で仕事をしたいと、現在の会社に入社しました。仕事はとても充実しており、忙しい日々を送っていました。 経験を積むにつれて、お給料も上がり、現在は年収1,500万円です。Aさんの実家は資産家であることもあり、Aさんの親は相続についていろいろと考え始めていました。 しかし、忙しく海外で働くAさんと親子でじっくり相続について話し合うタイミングはなかなかなく、ときどき顔を合わせたときに、生前贈与をしていた程度となっていました。 Aさんには妻と2人の子供がいるのですが、結婚してすぐのころ、当時はまだ日本で勤務していたときに、マイホームとしてマンションを購入していました。 海外転勤となってマンションは賃貸にしているのですが、だいたい2年に一度はAさんかAさんの妻が帰国して、賃貸管理のために入退去のやり取りや不動産管理会社との話し合いなどをするようにしていました。そのタイミングで、Aさんは実家に顔を出して、親はAさん名義の通帳に贈与をする、というような具合です。 そうこうしているうちに8年が経ち、Aさんも仕事がかなり忙しくなり、賃貸管理もすっかり妻任せになっていました。 そして、あるとき突然、Aさんの父親の相続も発生します。 一時帰国して、いろいろと話し合いをしつつも、長くは滞在できなかったため、結局は母親任せになってしまいましたが、申告を済ませました。 ちょうどそのころ、Aさんは管理職となり、日本に戻って本社勤務となったのです。
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