県内、台風10号に備え 兼六園で唐崎松を固定 被災地住宅に土のう設置
石川県内では29日、台風10号の接近に備える動きが見られた。地震被災地にある海岸沿いの住宅で高潮による浸水を防ぐため土のうを設置。兼六園では庭師が特別名木「唐崎松(からさきのまつ)」など枝ぶりが大きい13本を縄で固定した。 七尾市の海沿いに位置する道の駅「能登食祭市場」では、屋外店舗のテントが飛ばされないよう撤去した。地震で護岸が被害を受け、応急措置が今月中旬に完了したばかりで、担当者は「波の対策は自分たちではどうにもできない」とこぼした。 地形変化の影響に苦慮する人も。能登町の宇出津港では地震で地盤が沈下し、満潮時には海沿いの家の一部が浸水する。自宅が半壊した60代女性は「水が自宅まで入ってきたら諦めるしかない」と話した。一方、地盤が隆起した輪島市では、県漁協輪島支所の上浜敏彦統括参事が「港の隆起で、全部の船を安全な場所へ避難することができない」と困り果てていた。 ●がれき受け入れ31、1日は中止珠洲の3カ所 珠洲市は、市内3カ所の災害廃棄物仮置き場で行っている震災がれきの受け入れを31日、9月1日は中止する。状況によっては2日も中止する可能性がある。 9月1日は底引き網漁解禁だが、県漁協かなざわ総合市場の担当者は「31日や1日は出港できないのではないか」と話した。 県教委によると、30日は輪島市内の公立小中学校12校が休校を決めている。