中国不動産業界に変化が… 日本の“気配り商品”に商機【WBS】
中国では2月10日、旧暦の春節を迎えました。その中国の景気減速の足かせとなっているのが、不動産業界ですが、今大きな変化が起きています。日本流の気配りが利いた商品でチャンスを掴もうとする日本企業を取材しました。 春節を迎えた中国・上海。 「豫園という観光地にやってきました。春節ということで本当に多くの人がやってきています」(上海支局の菅野陽平記者) 人々のお目当ては干支の龍。中国で龍は繁栄と幸運の象徴で、干支の中で最も縁起が良いとされています。 人々に話を聞くと「龍の群れが舞い上がり、明るい未来が待っている」「国の経済ももっと発展していく」と期待の声が上がる一方で、「特に期待していない」「消費はいつもと同じで変わらない」との声も。様々な思いが入り混じる中、今年も中国経済で最大の懸念となるのが不動産業界です。 1月には経営再建中の不動産大手「中国恒大集団」に香港の高等裁判所にあたる高等法院から清算命令が下されるなど、、依然として混乱が続いています。その一方で、ある変化も起きています。それが上海市内にある去年11月に完成した大きなマンション。使われていなかった工場を改装してつくられました。 「こちらのワンルームは42平方メートル。ベッドが1つあって主に独身者やカップル用」(住宅を手がけた会社の瀋暁新副社長) ベッドやタンスなどの家具に加え、家電も全て付いていて、家賃は日本円で6万円余り。相場と比べて2~3割ほど安いといいます。その理由について瀋暁新副社長は「土地の取得オークションやリフォームの審査などで全て政府がサポートしてくれる。奨励手当も出る」と説明します。 こうした住宅は保障性賃貸住宅と呼ばれ、住宅を借りることができない若者や出稼ぎ労働者が主に入居しています。住人は「敷金も管理費も必要ない。政府が住宅問題を解決してくれるのは一番助かる」と話します。 中国政府はこうした保障性賃貸住宅の建設を各地で後押し。低所得者を助けるだけではなく、建設を促すことで、不動産関連産業の落ち込みを食い止める狙いもあります。