16歳で1回手取り2000円の格安風俗に入店…4つの性感染症にかかり、医者から「風俗の仕事をやめて普通の仕事に就きなさい」と言われてもやめられない理由
風俗の仕事以外に選択肢がない
そんな詩が体調を崩したのは、数か月前のことだった。朝起きたら、腰が抜けたように立てなくなっていたのだ。 詩は店のオーナーに電話をし、救急車を呼んでもらった。この時は神経系の病気だったそうだが、風俗で働いていることを話して婦人科系の検査も受けたところ、淋菌感染症、クラミジア、コンジローマ、梅毒といった4つの性感染症にかかっていただけでなく、アナルセックスのせいで直腸脱が起きていたそうだ。 医者からはこう言われたそうだ。 「あまり痛みを感じないから平気だと思っていても、知らない間に体はボロボロになっているんだよ。今くらいの年齢ならともかく、こんなことを続けていたら、近いうちに大ごとになる。風俗の仕事をやめて普通の仕事に就きなさい」 今回、詩が取材協力に連絡をくれたのは、今後のことについて悩んでのことだという。彼女は次のように話す。 「風俗の仕事は嫌いじゃないから、たぶん続けると思う。でも、あんま儲からないし、病気になっていっぱいお金がかかちゃった。だから(これから働こうとする自分のような人には)大変だよって言いたいです」 詩には、風俗の仕事以外を思い描けないし、それを教えてくれる人も周りにいないのだろう。民間の支援団があるにはあるが、詩自身が強い意志を持って生活を変えたいと思わない限り、現状から脱するのは難しい。 取材・文/石井光太 ★取材協力者募集 シリーズ「発達障害アンダーグラウンド」では、発達障害の人々が抱えている生きづらさが社会の中で悪用されている実態を描いています。発達障害は、時として売春、虐待、詐欺、依存症などさまざまな社会問題につながることがあります。もしそうしたことを体験された人、あるいは加害者という立場にいた方がいれば、著者が取材し、記事にしたいと考えています。プライバシーや個人情報を厳守することはお約束しますので、取材に協力したいと思う場合は下記までご連絡下さい。 メールアドレス:shueisha.online@gmail.com X(Twitter):@shueisha_online