バイデン大統領がアマゾン訪問、環境保全訴え…トランプ氏は「パリ協定」離脱を主張
【リオデジャネイロ=淵上隆悠】米国のバイデン大統領は17日、現職の米大統領として初めてブラジル北部に広がる熱帯雨林アマゾンを訪問した。開発優先の姿勢が鮮明なトランプ次期大統領を念頭に、環境保全の重要性を強調した。
バイデン氏は、アマゾン川中流の都市マナウスを訪れ、上空から「地球の肺」とも呼ばれるアマゾンを視察した。豊かな生態系を紹介する博物館も訪れ、先住民の指導者らと交流した。演説では「(環境を守るため)まだ国内外でやれることは多くある」と訴えた。
バイデン氏は、11月17日を米国内で「国際自然環境保護の日」に指定する布告にも署名。ホワイトハウスはこの日、ブラジルの「アマゾン基金」に5000万ドル(約77億円)を追加拠出すると発表した。
来年1月に米大統領に就任するトランプ氏は、温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」からの離脱を主張している。石油や天然ガスの増産を優先し、国内の環境規制の緩和や撤廃も進めるとみられる。