赤ちゃんが図書館のピンチを救う!? 本離れ、7 年で入館者130万人減少...図書館が“通い続けてもらうため”に発案した、親も子も嬉しい秘策とは?愛知・名古屋市
名古屋市昭和区にある『名古屋市鶴舞中央図書館』。書庫で特別に見せてもらったのは、絵本がぎっしり詰まった段ボールの箱。しかし、よく見ると中身は同じ本ばかり。たった3種類しかありません。その数、なんと1000冊!なぜ、同じ本が“図書館”に大量に保管されているのでしょうか。
実はこの絵本は、名古屋市内の図書館から“赤ちゃん”へのプレゼント。実はこの絵本を使って、赤ちゃんに助けてほしいピンチがあったのです。
名古屋市立図書館年報によると、名古屋市の図書館では年々入館者が減少。この7年間で、約130万人もの入館者が減っているといいます。
その理由について、『名古屋市鶴舞中央図書館』の石垣恵さんは、「コロナで減ったのはありますね。今やいろんな娯楽が他にもあるので…」と答えます。そんななか、変わらず図書館にやってきてくれるのが“赤ちゃん”たち。
歌や絵本の読み聞かせに参加するために、以前と変わらない人数の赤ちゃんたちが図書館に来館。『名古屋市鶴舞中央図書館』に赤ちゃん連れで訪れた人に取材すると、「子どもが生まれてから、読み聞かせに合わせて(図書館に)来るようになりました」とその理由を答えました。
“赤ちゃんたちに大きくなってからも通い続けてほしい” そんな想いから、名古屋市の図書館では、2024年8月から“ある条件”付きで赤ちゃんに絵本をプレゼントする試みをスタート。その絵本こそ、書庫に保管されていた大量の絵本だったのです。
“ある条件”とは、赤ちゃん自身が「貸し出しカード」を作ること。貸し出しカードを作り、絵本を受け取った母親は、「赤ちゃんに絵本がもらえると聞いて。それなら、ちょうど絵本に興味が出てきている頃なので、作りにいこうかなって」と笑顔を浮かべました。
利用者減少を打破するべく始まった、今回の試み。赤ちゃんたちにとっても、本とふれあう環境づくりに繋がっていくことでしょう。名古屋市図書館によると、絵本プレゼントは、2024年4月1日以降に生まれた赤ちゃんを対象としているということです。