【ライブレポート】『22/7 ANNIVERSARY LIVE 2024』が大盛況で幕!千穐楽では新曲「ロックは死なない」も電撃披露
■「皆さんへの感謝の気持ちを日々忘れず、この幸せを噛み締めながら8年目も駆け抜けていきます。これからもナナニジについてきてください!」(天城サリー) 【画像】『22/7 ANNIVERSARY LIVE 2024』の様子(ライブ写真全13枚) 22/7が、結成7周年を祝う『22/7 22/7 Anniversary Live 2024』を、11月9・10日に東京・THEATER MILANO-Zaで開催した。 「花の都・NEOTOKYO」をコンセプトにした『22/7 22/7 Anniversary Live 2024』では全4公演、すべて異なるセットリストで実施。 第一幕から第三幕では、3つのユニット(気の抜けたサイダー、晴れた日のベンチ、蛍光灯再生計画)がそれぞれ看板となる公演を開催。そしてフィナーレを飾る千穐楽という全4公演が行われた。 初の試みとなった3つのユニットによる看板公演ではメンバー考案のセットリストやコーナーでそれぞれの個性が余すところなく発揮し、また『ナナニジ周年大音祭』と銘打った千穐楽では、グループの歴史をデビューからなぞり確かな成長を見せつけるとともに、2025年2月に発売する14thシングル「ロックは死なない」をサプライズ披露した。 22/7のユニットは演じる担当キャラクターのタイプによってメンバーが構成され、祝宴の幕開けとなる初日昼公演は“ゆるふわ”な「気の抜けたサイダー」(天城サリー、西條和、椎名桜月)が看板を担う。 とにかく自由奔放な3人は「蛍光灯再生計画」の持ち歌である「僕のホロスコープ」を“勝手に”披露し、どちらがその曲にふさわしいかという本家との「セクシーなセリフ」対決で不正(SEの使用)をしながら勝利を収めたかと思いきや「おさがりなんていらなーい」と曲を放棄するという展開に。 さらには他メンバーをも巻き込み、9人がパジャマ姿で自分たちのユニット曲「ソフトクリーム落としちゃった」を歌うという最強“ゆるふわ”タイムを作りあげた。その後どうやらメンバーたちは、眠ってしまっていたらしい。 眠りから覚めた他メンバーたちが舞台袖へ戻っていく姿を見送りながら「夢かぁ…」とつぶやく天城に、西條と椎名が寄り添い披露されたユニット最新曲「声優になりたくて」は、まさに彼女たちの“夢”を歌った楽曲だ。 高らかに憧れを歌う天城、明るく瞳を輝かせる西條、優しい歌声で背中を押す癒やしの椎名、壮大なミュージカル映画を彷彿とさせるひとときが感動を呼んだ。さらに、やりたい放題の自分たちを許してくれるメンバーとファンへの感謝とともに「大好きな皆さんに心を込めて送ります」と伝えた先で歌われるのは「好きと言ったのは嘘だ」。誰も彼も、もう笑うしかない。「ゆるっとふわっと」では飽き足らない天城のいたずら心が「ビリっと」与える衝撃も、このユニットの魅力であることは間違いないだろう。 当初かわいい曲と、重たい曲のミルフィーユでセトリを組もうとしたが、卒業した涼花萌に引かれ、さすがに西條も「自分が持っているいちばん強いスタンプ」で止めたというエピソードも彼女たちらしい。 第二幕は“ハッピー”タイプの「晴れた日のベンチ」(相川奈央、麻丘真央、望月りの)、通称「晴れンチ」がパッション溢れる看板公演を行う。初日昼公演を終えて間もないというのに3人の元気なこと! 「タチツテトパワー」「謎の力」、そしてユニットの名を世に知らしめた迷曲「半チャーハン」へと火力最大のオープニングに始まり、ライブ感に溢れるパフォーマンスで盛り上げていく。 また、ラジオ風MC企画「晴れた日のラジオ」で投稿されたメッセージをもとにトークを繰り広げたり、スマホでの動画撮影可能曲を作ったりと、会場一体になって楽しみたいという思いはコーナーにもあらわれていた。 一方で「もう純情は邪魔なだけ」でのクールで凄みのあるハーモニーにもゾクゾクさせられ、明るさの裏にある必死な泥くささも彼女たちの武器であることを痛感する。 ともすれば裏テーマに「ヒーロー」があったのではないかと思われるほど全力で戦い、走る選曲で駆け抜け、ラストナンバー「韋駄天娘」へ。ノンストップな心臓破りのセトリに声援を飛ばしながらファンも食らいついていく。 そして、アンコールでついに披露されたユニット最新曲「炭水化物祭り」。ヘヴィなヘッドバンギングを交えながら、食いしん坊のピュアな願いを愛嬌たっぷりに表現した。やっと見えてきたゴールを前に、この公演が「一生で一度のもの」だということを胸に頑張ったという望月の言葉はたどたどしくも響くものがある。 なんと最後は、9人全員で「半チャーハン」のおかわり。会場に満ちていくお腹いっぱいのハッピー。たくさん歌って踊った分だけモリモリ食べて、これからも仲良く元気に笑い続けてほしいと思わされる公演だった。 第三幕、2日目昼公演は“セクシー”タイプ「蛍光灯再生計画」(河瀬詩、四条月、月城咲舞)による看板公演。 極彩色のネオンサインに彩られたステージで、煌びやかな着物ドレスに身を包んだ9人が舞う「絶望の花」は艶やかで、百花繚乱ここに極まるといった幕開けである。 「どれだけウェーブ(の振り)を入れても怒られないから、いつもよりくねくねしたい」と宣言するのは、他ユニットながら「蛍光灯」のダンスが大好きな相川。その言葉に火がついたのか、ユニット最新曲「赤いバラの理由」はフラメンコのような激情感を持って激しく咲き乱れ、それでいて凛とした一輪の花が持つ美しさを物語る。 得意のダンスのみならず、歌唱面でも確かな成長を感じさせる月城。ずぶ濡れになって始まる「読みかけの漫画」から「空のエメラルド」へとポエティックなストーリー仕立てで選曲された「お天気パート」では3人を中心とした和傘のパフォーマンスが行われ、しなやかで美しい姿が、目を奪った。 「見つけろ! 僕のホロスコープチャレンジ」と題したコーナーでは、引いた数字の数が正解人数になるようにファンへ質問を出題。3ユニットの結果を足すと求めていた「6」になることに気づいた天城の機転で「やっぱり別れていちゃダメなんだ!」と、奇跡の大団円を迎えるも、賞品としてリボンの巻かれた蛍光灯が贈られ複雑な顔をのぞかせる他メンバーたち。 まさかの9人で美の女神像のごとく悩ましいポーズを取り、珠玉の一瞬を作り出した「交換条件」。「それが愛だ」と、真っすぐに見つめる河瀬の瞳に射抜かれる。 本編ラストナンバーの「命のつづき」では、四条の魂を揺さぶる叫びに息を呑む。女性的な魅力を知性と清純さを芯に表現する3人の選曲は全体的にメッセージ性が強く重みがあったが、どこか卒業したユニットメンバーへのリスペクトも感じられたため「蛍光灯再生計画」の“再生計画”という一面もあったのかもしれない。 ここまではそれぞれの公演の内容を届けたが、全員で過去衣装を着て相川・月城の振り付けで披露したダンストラックとその衣装の楽曲は大いに会場を沸かせた。前回の涼花萌の卒業コンサートでは後輩メンバーがひとり1着ずつ着ていた過去衣装が、ついに揃いのものとなったのだ。 さらに今回の試みでは、看板ユニットのイメージのなかで他ユニットのメンバーがその空気感を借りるように同じ全体曲でも公演ごとに色を変える印象で、あらためて9人の持つ表現の幅に驚かされた。 例えば「Just hear and now」の麻丘と相川の公演ごとのセリフの違いはひとつの見せ場に違いない。また、全公演で選曲された「佐藤さん」は、観客の頭を「佐藤さん」の連呼でシェイクするかの異彩を放ち、バラエティ豊かな22/7が誇る楽曲として、今後様々場面で披露してほしいと思わせる説得力があった。 そしてついに迎えた千穐楽は『ナナニジ周年大音祭』。毎年様々な趣向をこらして周年を祝ってきたが、今回はデビュー曲「僕は存在していなかった」からリリース順に披露するという、自分自身を信じることから始まり真っすぐに進んできた道で真っ向勝負するかの構成。 様々な思いとともに受け継がれてきた楽曲が7年という歴史を語ると同時に、これから向かっていく先への希望を感じさせ、「理解者」の「思い出とかじゃなくて 未来はここにある」というフレーズがひときわ輝く。 「7年だって」と顔を見合わせる天城と西條。「合格した全員とも影が薄かった」と笑いながらも、最終審査の日に天城が自撮りした写真の背景にたまたま他の10人が写っていたという運命的な逸話を明かす。 結成5年目に加入した河瀬は、憧れを抱いて見ていた「何もしてあげられない」は今でも胸がきゅっとなる曲だと語る。河瀬の初期メンバーに対する敬語がなくなったのは後輩メンバーたちの加入がきっかけだった。ユニット看板公演同様、この公演でもまたあらたな加入前の衣装を着ることができた6人。 2曲目の「シャンプーの匂いがした」からすでに泣きそうになっていたという相川に、椎名も激しく同意する。衣装の丈を直してもらって着るなかで気付いたのは、先輩たちの背が平均的に高かったこと。「存在的にだけでなく、物理的にも大きかった」と尊敬の念を伝えた。 曲の合間には、セリフはないが、雄弁に彼女たちの物語を伝える少しの芝居が組み込まれる。西條が天城から差し出された手を取り、頷きあう。そのうしろからやってきて、ふたりの肩を抱いた河瀬。それは、不思議とアニメ『22/7』で描かれたキャラクターたちのドラマとも重なる関係性だった。 そして、そのさらにうしろからわあっと駆け寄り飛びつく勢いで抱きついた後輩メンバーたち。ぎゅうっと強く抱きしめ合う9人の体温が伝わる光景は、温かな涙とともに「22/7第二章」の訪れを思い出させた。 「曇り空の向こうは晴れている」の望月のセリフは「希望ちゃん」の呼び名があらわすように、未来を指す光となる。当時はコロナ禍でマスクをしていたこともあり、お互いの顔をちゃんと見れていなかったなかで、望月が天城に「もっと見てください!」と迫ったというエピソードもパワフルな後輩たちとの融合で進化を遂げた22/7へとつながるエピソードだった。 相当な曲数ながらあっという間にたどり着いてしまった本編ラストナンバーは、最新シングル「YESとNOの間に』。メンバーたちのかわいらしいパフォーマンスはもちろん、アニメタイアップとなった喜びも相まって会場が最高に昂ぶる楽曲だ。 だが、なんと! いったい何をやるんだろうと思いながらもアンコールを待ち望んだファンの前に再び現れた9人は白いブラウスとミニスカートにレザーのビスチェ、ロングブーツというこれまでに見たことないイメージの衣装を着ている。 そして、電撃披露されたのは2025年2月26日に発売する14thシングル「ロックは死なない」だった。ギターを弾く振りも印象的な熱いロックチューンで、またあらたな魅力を開花したのだ。しかも、1月放送のアニメ『不遇職【鑑定士】が実は最強だった』のエンディング曲という2作連続のタイアップ。3階席まで埋め尽くされた会場中に湧き上がる興奮の声がメンバーたちの顔をほころばせる。 本編中「歴史を振り返ることができるアニバーサリーライブ。いつナナニジを好きになろうかと思っている人には、今日がいちばんいい日だと伝えたい」とも話していた天城が、代表して最後の挨拶を締めた。 「8年目に突入する今、こうしてうれしい発表からスタートできて本当にうれしいです。皆さんへの感謝の気持ちを日々忘れず、この幸せを噛み締めながら8年目も駆け抜けていきます。これからもナナニジについてきてください!」 12月に恒例のキャラクターライブである『22/7 CHARACTER LIVE 2024~RED or WHITE?~』、およびメンバーといっしょに鑑賞するイベント『22/7 ナナ虹≪忘年≫会』が開催されることも発表となった。 まだ、7年。22/7が進む道は長く、見せてくれる景色に限りはないだろう。 TEXT BY キツカワトモ 写真提供:ソニー・ミュージックレーベルズ ■『22/7 Anniversary Live 2024』 2024年11月9日(土)、10日(日)東京・THEATER MILANO-Za ◇11月9日(土)昼公演 第一幕 気の抜けたサイダー 看板公演 <セットリスト> M01 春雷の頃 M02 地下鉄抵抗主義 M03 佐藤さん M04 カントリーガール M05 君とどれくらい会わずにいられるか? M06 シャンプーの匂いがした M07 僕のホロスコープ(気の抜けたサイダー ver.) M08 好きになるのは自由だし… M09 ソフトクリーム落としちゃった(全員 ver.) M10 願いの眼差し M11 声優になりたくて M12 理解者 M13 Just here and now M14 不確かな青春 M15 好きと言ったのは嘘だ EN1 後でわかること EN2 ポニーテールは振り向かせない ◇11月9日(土)夜公演 第二幕 晴れた日のベンチ 看板公演 <セットリスト> M01 タチツテトパワー M02 謎の力 M03 君とどれくらい会わずにいられるか? M04 半チャーハン M05 To goでよろしく! M06 好きと言ったのは嘘だ M07 後でわかること M08 YESとNOの間に M09 佐藤さん M10 もう純情は邪魔なだけ M11 風は吹いてるか? M12 無関心ヒーロー M13 覚醒 M14 韋駄天娘 EN1 炭水化物祭り EN2 半チャーハン(全員 ver.) ◇11月10日(日)昼公演 第三幕 蛍光灯再生計画 看板公演 <セットリスト> M01 絶望の花 M02 Just here and now M03 世界の矛盾 M04 ヒヤシンス M05 赤いバラの理由 M06 読みかけの漫画 M07 春雷の頃 M08 Rain of lies M09 空のエメラルド M10 僕のホロスコープ M11 僕が持ってるものなら M12 理解者 M13 交換条件(全員 ver.) M14 命の続き EN1 佐藤さん EN2 僕は今夜、出て行く ◇11月10日(日)夜公演 千穐楽 ナナニジ周年大音祭 <セットリスト> M01 僕は存在していなかった M02 シャンプーの匂いがした M03 理解者 M04 何もしてあげられない M05 ムズイ M06 風は吹いてるか? M07 僕が持ってるものなら M08 ヒヤシンス M09 覚醒 M10 曇り空の向こうは晴れている M11 神様だって決められない M12 僕は今夜、出て行く M13 君とどれくらい会わずにいられるか? M14 後でわかること M15 YESとNOの間に EN1 ロックは死なない リリース情報 2025.02.26 ON SALE SINGLE「ロックは死なない」
THE FIRST TIMES編集部
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