ドラフト会議で改めて知る、新井貴浩監督の駆けつけ力~オギリマサホのゆるっとカープ論~
思わず心を奪われる! カープの話題をゆる~くまったりと展開してくれる“オギリマワールド”。関東出身ながら中学生からカープファン。独自のタッチで描かれるイラストを交えたコラムでおなじみのオギリマサホが、新たなカープの魅力を切り取る。 【写真】ご利益がありそうな、新井監督のスマホ待受画像(イラスト・オギリマサホ) 今回は、先日行われた、プロ野球ドラフト会議についてを、オギリマ視点でゆる~く取り上げる。 ◆新井貴浩監督の「駆けつけ力」 10月24日、プロ野球ドラフト会議が行われた。カープは5球団競合となった宗山塁(明治大)の抽選を外した後、佐々木泰(青山学院大)を1位指名した。昨年の常廣羽也斗に続き、2年連続して青山学院大からの1位指名となったわけである。 そのドラフトの中継を視聴しているうち、「あれ、これ去年も見たような……?」という光景に出くわした。さっきまでドラフト会議の会場にいたはずの新井貴浩監督が、いつの間にか青山学院大に到着して、1位指名した佐々木に指名あいさつをしているのである。昨年の常廣の時も全く同じ状況であった。 支配下選手の指名の時にはドラフト会場にいたはずの、新井監督の姿が見えなくなったのは18時40分頃。その後19時30分には佐々木の肩を抱いて記念撮影をしている新井監督の姿が報じられたので、50分以内には青山学院大に到着していたものと思われる。 ドラフト会議の会場となったグランドプリンスホテル新高輪から、青山学院大のキャンパスまでの距離は約5㎞。車移動ならば15分くらいで到着するだろうか。準備の時間などを考えると、取る物も取り敢えず駆けつけていることがわかる。 一般的に、指名あいさつはドラフト翌日から数日の間に行われることが多い。そのような中、なぜ新井監督は即座に選手のもとへ向かうのだろう。それは「すぐに駆けつける」ことで熱意や誠意を伝えたい、という強い思いがあるのではないだろうか。 駆けつける新井監督、で思い出すことがある。今年7月、新井監督の次男が所属する甲南高校野球部の兵庫大会初戦が行われた際、スタンドには他の保護者と一緒に応援する新井監督の姿があった。前日にマツダスタジアムのナイトゲームでカープの指揮を執った後、朝9時から高砂球場で行われる次男の試合を観戦、また広島に戻って14時開始のデーゲームを采配するという強行軍である。この新井監督の「駆けつけ力」をもってすれば、5㎞の距離など誤差みたいなものなのかもしれない。 もう少し記憶をさかのぼると、新井監督就任直後の2022年ドラフトでは、カープは北海道・苫小牧中央高の斉藤優汰を1位指名した。さすがにこの時は即日北海道に向かうことはなかったが、それでも翌日午後の早い時間には(斉藤と歓談する新井監督の腕時計を映像で確認すると、恐らく13時過ぎくらいと思われる)新井監督は苫小牧中央高を訪れて斉藤に指名あいさつをしているのだ。 グランドプリンスホテル新高輪から苫小牧中央高までの距離は1,096㎞。この距離をドラフト終了時からの約18時間で移動していると考えると、新井監督の「駆けつけ速度」はだいたい時速60㎞くらいと推測できる。 今後のドラフトで、どのくらいの距離であれば新井監督は即日あいさつに向かうのだろうということが気になりつつ、普段から腰が重い自分は、新井監督のフットワークの軽さを見習いたいと思うのであった。
オギリマサホ