奥平大兼さん・特別インタビュー!話題作『ワンダーハッチ -空飛ぶ竜の島-』では「ウーパナンタ語」に苦戦!?|CLASSY.
――今回のような難しい役を演じるにあたり、役作りは自分で作り上げたんでしょうか? 自分一人ではもう何もできなかったと思いますね。タイムはウーパナンタ(「異世界」の舞台)で15年間ずっと過ごしてきて、人生的にはほとんどウーパナンタで過ごしている。そっちの世界の常識とか文化とか、そういうものがすごく大事なのかなと思ったので、そのことについて監督にたくさん質問しました。できるだけ感覚をウーパナンタの人間に近づけさせたり、ウーパナンタの言語を作ってくれた先生と自然に話せるように定期的に練習したりしました。一人で役作りをしたという感覚がなくて、本当にいろいろな方々の力を借りてできたと思います。 ――タイムという人物は奥平さんからみてどんなキャラクターだと思いましたか? そうですね、良くも悪くも無邪気で素直というか。本当に人をフラットに見ている子で、人のことをすごく信じているんです。それが時には仇となる時もあるんですけど、人を救う瞬間もあるんですよね。ウーパナンタのドラゴン乗りは相手の思っている心の声が聞こえる特殊な能力を持っているんですけど、タイムはそれがないんです。だからこそ、真っ直ぐ言われたことを受け止めて嘘がないのかなと。僕の勝手な想像ですけど本当に純粋な子というか、本当に裏がない印象で、現実世界ではいないんじゃないかというくらい特殊な魅力を持った子だと思います。演じながら、「あ、こういう瞬間に人を救うんだ。人を信じると、こういう瞬間に信じられた相手はこういうふうに救われるんだ」と思うことがありましたね。ネタバレになるのですべては言えないのですが、タイムも地球に来てから地球の文化にどんどん触れていくことになり、地球人の中にはやっぱり裏がある人もいるんです。そういう人間を相手にした時にタイムがどうなるのか、素直さや人を信じる気持ちを持っている人間がそこに触れるとどうなるかというのが、この物語の面白いところでもあります。前半と後半だとタイムの印象がだいぶ変わっていきますが、そうやって素直に何かを信じられたり、人を分け隔てなく見ることができることは本当に素敵だなと、改めて思いましたね。