新車ディーラーにとって「新車」よりも「認定中古車」販売のほうが美味しい! 厳しい新車販売店のいま
認定中古車がいまアツい
先日、某高級ブランド正規系の新車販売ディーラーへ行く機会があった。 広いショールーム内には複数の展示車が置かれていたのだが、よく見るとその大半が認定中古車であったことに気がついた。少し離れたところにある同じブランドのディーラーへ行くと、やはり認定中古車のほうが多く展示されていた。たまたま同じ時期に事情通から、筆者が訪れたブランドとは別ブランド系のディーラーショールームに中古車が置いてあったという話を聞いたところであった。 【画像】新車よりも安くて程度もバッチリな認定中古車だけど購入するのに向いていない人もいた! 認定中古車のなかには試乗車両として使われていたクルマが含まれることが多い。ただ、一般ユーザーが使っていたとしても、認定中古車としての厳しい要件をクリアしていれば認定車両となる。初年度登録から一定の経過年数以内で走行距離制限があり、認定中古車として並べる前には消耗品の交換が行われ、新車並みに手厚い保証がついたりするので、一般の中古車よりも安心して選ぶことができるのが特徴だ。 認定中古車で人気が高いのは高年式で走行距離が少ない、つまり「新車同様」の物件で、販売の中心になっているとも聞く。新車の販売促進のために用意された試乗車は、半年サイクルで入れ換えが行われるともいわれている。 その間の累計走行距離は厳しく管理されて距離が伸びないように扱われ、当然車内は禁煙でありお客の試乗に同行する以外は、原則セールスマンには運転させないといったルールが決められているディーラーもあるようだ。つまり、試乗車は短期間で認定中古車として販売することを前提に用意されていると考えてもいいだろう。 あるメーカーでは、生産ラインを一般受注車両、レンタカーなどのフリート受注、そして展示や試乗車用に生産枠を別々に用意していると聞いたことがある。新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着いたころに、半導体不足などで世界的に新車の供給体制が混乱し、長期の納期遅延が頻発したが、そのようななかでも平時並みの定期的で短いサイクルというわけにはいかなかったようだが、展示や試乗用の新車がディーラーに供給され続け、展示や試乗車として役目を終えた車両が認定中古車として中古車市場に供給され、新車がいつ納車になるかわからないなか争奪戦となっていた。 平時でも、あえて気になるモデルが試乗車から認定中古車として供給される時期を確認して購入検討するという人も意外なほど多いようだ。