軽くて曲がる太陽電池? 次世代型「ペロブスカイト」の“夢と現実” 政府が目標策定「2040年に600万世帯分」…実現の可能性は
■実現への壁は「耐久性」と「コスト」
藤井キャスター 「実現の可能性はどれぐらいなのでしょう?」 小栗委員長 「それが現実の部分です。開発を進める村上研究チーム長によると、そもそも20ギガワットというのは初夏の昼間、晴れていて条件が良い時に出せる最大瞬間の電力のことです。夜間は発電しませんし、雨の日などはどうしても落ちてしまいます」 「そのため、電力として見込めるのは最大発電量の1.5割程度で、これが約600万世帯にあたるということです」 「また実現にあたっての壁となるのが、耐久性とコストです。ペロブスカイトは劣化が早いという弱点があるため、長時間発電し続ける耐久性が重要な課題となります」 「さらに、これまでの太陽電池パネルと比べると現状では割高になるというコストも課題です。政府は目標の中で、2040年に従来のパネルとほぼ同じ水準まで下げることを目指しています」 「村上さんは『政府の目標は目指す価値のあるチャレンジングな内容。今の太陽電池が設置できない場所に導入して、建物の電力を賄えるくらいになるといいと思う』と希望を語っていました」
■長濱さん「コスト面の改善にも注目」
藤井キャスター 「長濱さんはSDGsに関わる仕事にも携わっています」 長濱さん 「仕事で、長崎県・五島列島の風力発電の現場に見に行ったことがあります。現場の方々は、『再生可能エネルギーはとてもコストがかかる』とおっしゃっていました」 「次世代の太陽電池は軽くていろいろな場所に設置できるのはとてもいいと思いますし、コスト面の改善など課題にも注目していきたいです」 藤井キャスター 「来年度には実用化の第一歩を踏み出すということです」 (11月26日『news zero』より)