音楽劇『あらしのよるに』ガブ役・白石隼也、メイ役・南野巴那インタビュー「ガブとメイには“友だちでいたい”という覚悟がある」
ふたりの関係性で見え方も変わってくる
──この作品が推奨年齢6歳からとなっていますが、それくらいの頃はどんな子どもでしたか。 白石 すごく悪い子でしたね(笑)。やんちゃで、勉強そっちのけでずっと校庭でサッカーをしているような子でした。元気な子ではあったんですけど、シャイなところもあって、苦手な人がいると急に喋らなくなって縮こまっている瞬間もあるような子でした。 南野 私はメイと似てすごく好奇心旺盛で、小さい頃に川辺で撮った写真を見ていたら、他の子は長靴を履いていたりするのに、私だけ素足で水の中に浸かっていたりして(笑)。なんかそういう感じの写真がいっぱいあるんですよ。あちこち走り回りすぎて、いろんな転び方をして、今もちょっと傷が残っているぐらいケガをいっぱいしているような子どもでした。 ──その頃に舞台を見に行った経験はありましたか。 白石 幼稚園の頃、クラシックバレエをちょっと習っていたときがあって、発表会に出たりとか、友だちが出ているのを見に行ったりとかはしましたが、それ以外で舞台を見に行くことはあまりなかったですね。小学生になってからはサッカーに夢中で、それ以外の文化的なものはほとんど接していなかったです。 南野 私も5歳からバレエをやっていたので、バレエの舞台は小さい頃からよく見に行っていました。演劇との出会いは、中学生のときに友だちから宝塚歌劇団の『ベルサイユのばら』のDVDを借りたことがきっかけで、そこから歌とか踊りとか、あとはセリフを真似して言ってみたりして、舞台が大好きになっていきました。 ──おふたりが演じるガブとメイの間には、どんな関係性を築きたいですか。 白石 メイは多分オスだと思うんですけど、でもこの作品では女性が演じるじゃないですか。そうするとどうしても「男と女の恋の話」という路線に見えなくもないんじゃないかな、と思うんです。そういう要素を含んだ物語でもあるのかもしれませんが、でもビジュアル撮影で南野さんと話したときに、「メイをどういう感じでやるの?」と聞いたら「まだわからないけど、まずは中性的にやってみようと思っている」と言っていて、だからふたりの関係性も、メイをいわゆるヒロインみたいな扱いにするのではなくて、僕たち自身が本当に友だちのような感覚でいれば、その関係性で見え方も変わってくるんじゃないかな、という気がしています。 南野 絵本の中でメイがガブに「覚悟を持ってここにいるんです。何でも話せるのが友だちなんじゃないですか」と言うシーンがあるんですけど、本当に嘘がない、かっこいい言葉だなと思って、そういう嘘のないまっすぐな友情、まっすぐな信頼関係をガブと築いていけたら、と思っています。 取材・文=久田絢子 写真=曳野若菜 ヘアメイク:橘 房図 スタイリスト:岡部俊輔(白石隼也)、清水拓郎(南野巴那) 衣裳:INNAT @innat_official(白石隼也)、YuumiARIA official(南野巴那/ワンピース、ベスト) <公演情報> 日生劇場ファミリーフェスティヴァル 2024 音楽劇『あらしのよるに』 日程:2024年8月24日(土)・25日(日) 会場:東京・日生劇場