北見産リンゴ「旭」と知床酵母を使ったオホーツクシードル 新作発売
北見産の希少種リンゴ「旭」を100%使った「オホーツクシードルGravitation」シリーズの第3弾が12月13日、オホーツク・オーチャード(北見市昭和)から発売された。(北見経済新聞) ブランド「emo w/i are nu(エモイワレヌ)」のプロデュース商品として2022年10月に立ち上げられた同シリーズ。使うリンゴは果樹園「しのねアップルファーム」(昭和)で育った希少種「旭」。酸味と桃に似た独特の芳香があり、追熟するにつれて酸味が和らいで香りが強くなるのが特徴。「旭」は貯蔵の難しさや品種改良された別種の台頭で栽培する農家が激減したことで、現在は「幻のリンゴ」と呼ばれている。 醸造はワイナリー「ボスアグリワイナリー」(端野町)が行い、発酵に使う知床生まれの酵母は公益財団法人「オホーツク財団」(大正)が研究協力・提供している。 第1弾の「2021 はじまりの秋」は東京都内と北海道のホテル・バーなどを含む業務店向けに限定販売し、販売開始からおよそ3カ月で完売。昨年の第2弾は業務店向けの「2022 みゆき晴れの朝」と一般向けに立ち上げた新シリーズから「もくもくと凛凛」の2種類を販売している。 新作の第3弾「2023 春隣のしるし」は、昨年収穫した「旭」を100%使用。オホーツクの厳しい寒さの中で凍結解凍を繰り返して濃縮した果汁を知床酵母によって発酵させた商品で、「低温発酵、熟成、瓶内熟成によって、桃に似た甘美な香りと青みを帯びた爽やかな酸味を表現している」という。容量は200ミリリットルで、アルコール度数は4.5%。 同ブランドを手がける丸屋(東京都新宿区)の眞島亮人さんは今作の出来栄えについて、「フィルターの目を前作より荒くしたことで、これまでのシリーズ商品の中で最も旭リンゴの果汁感を出せた。果実そのものの糖度もこれまでの中で最も高い」と話す。 「『旭』を使って本当においしいシードルを製造・発信し続けることで、消滅寸前の『旭』とオホーツクのリンゴ栽培の継続・発展・継承し、オホーツク圏における雇用創出を目的とした地域活性化プロジェクトになれば」と眞島さん。「世界から選ばれる地域のシードルシリーズを目指したい」と意気込む。 道内では、チミケップホテル(津別町)と「meli melo(メリメロ)」(札幌市中央区)で提供予定。
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