「保険は絶対に胴元が勝つようになっている」息子が語った経済評論家・山崎元の知られざる素顔 父から聞いた最も有用なアドバイスとは?
■最も有用だった父のアドバイス ――『経済評論家の父から息子への手紙』を読んでみて、どんな感想を持ちましたか。 まず、一読者としての感想を述べると、「お金を稼ぐ方法」など流行に左右されるようなテクニック論ではなく、いつの時代にも通用する普遍的な人生のアドバイスがたくさん盛り込まれていると感じました。息子だから言うわけではありませんが、いい本だと思います。 お金のことに関しては、直接教えてもらうことはほとんどありませんでした。ただ、「リボ払いするような人とは結婚するな」「保険のシステムは絶対に胴元が勝つようになってるよ」といった話はときどき言っていたかな。
あとは「いかに自分の価値を高めるか」という話はよくしていましたね。「人に自分の強みをいかに売っていくか、ということは考えておくといいぞ」と。高校生のころまでは将来のキャリアの話をされてもあまりピンとこなかったのですが、この本を読んでなるほど、父が言いたかったのはそういうことか、と理解しましたね。 働くうえでの大きな考え方として、自分の「人材価値」を育て、守り、活かすことを中心にするといい。(中略)人材価値は、仕事の「能力」と、能力を実際に仕事に使った「実績」とで評価されて、これに、今後の「持ち時間」が加味される。数式にすると次のようになる。
人材価値=(能力+実績)×持ち時間 (出所:『経済評論家の父から息子への手紙 お金と人生と幸せについて』) あと、父からのアドバイスでいちばん有用だったと実感しているのは「あいさつ」ですね。 ――あいさつ、ですか? 自分から人に話しかけるのって、けっこうエネルギーがいりますよね。でも、あいさつなら他人にも気軽にすることができるし、あいさつすることで相手側から話しかけられる可能性も高まります。 あいさつによって得られるものはとても大きいと思います。小学生のころ、中学受験で通っていた塾の用務員さんに毎日あいさつをしていたので、そのうち名前を覚えてもらって「山崎君なら絶対に第一志望に合格するよ」と応援してもらえました。