「保険は絶対に胴元が勝つようになっている」息子が語った経済評論家・山崎元の知られざる素顔 父から聞いた最も有用なアドバイスとは?
(出所:『経済評論家の父から息子への手紙 お金と人生と幸せについて』) ――手紙の中では「自分の息子に対してぜひやってみたかったのは、余計なプレッシャーを与えずに育ててみることだった」とも語っていますね。 いや、実際にはかなりのプレッシャーを感じていました。特に大学受験のときは、「別に東大を目指さなくてもいいんだぞ。お前の好きなところに行けば」とは言うんです。でも、その後に続けて「まぁ、東大に行くといいことがいっぱいあるけどな」と。そういう粘着質なプレッシャーのかけ方をしていましたね。
■テレビゲーム、ソーシャルゲームは禁止 ――お父さんは、Kさんに対してどんな教育方針をとっていたのですか。 小さいころは、周りの友だちの家庭と比較しても厳しかったと思います。テレビゲームやソーシャルゲームは禁止。その代わり、ボードゲームや将棋、囲碁を教わりながら一緒にやることが多かったですね。報酬系を刺激するようなゲームを与えるよりは、じっくり考えることの大切さを教えたい、という親の意思を子どもながらに感じていました。
勉強に関しては、中学受験のときまでは口うるさかったのですが、中2、中3になるとだんだん干渉してくることはなくなりましたね。プログラミングの教室に通わせてもらうなど、好きなことをさせてもらいました。 ――子どものころの、思い出に残っているエピソードはありますか。 小学校に入学する直前だったと思いますが、父にデジタルカメラを渡されて、飯田橋駅のホームから総武線の電車を撮影した記憶があります。僕が撮っている後ろでその様子を父が撮って。鉄道が好きならいずれ写真も撮りたくなるだろうとカメラをプレゼントされました。鉄道模型を買ってもらったりもしましたね。
最近の話ですが、去年の夏、大学生になってから父と将棋を指して、接戦の末に一手差で勝ちきることができたんです。 対局が終わった後、父から「おめでとう」と言われました。これも父と親しかった方から聞いたのですが、「勝負事で負けて悔しいと思わなかったのはあのときが初めてだ」と言っていたそうです。 ――「経済評論家・山崎元」については、どう見ていたのですか。 子どもながらに父がテレビや雑誌に出ていろいろ解説している姿は見ていました。ただ、金融の難しいことは子どもにはわからないので、「何かに詳しい専門家なんだな」くらいにしか思っていませんでしたね。