「他人の人生を生きているようだった」ストリートピアノで才能が開花 ハラミちゃんを突き動かした原動力
── ピアノに賭けた幼少期や音楽大学から一転、IT企業に入社。休職してリセットして、ストリートピアノに出合うまでのハラミちゃんはどんな感じでしたか? ハラミちゃん:ストリートピアノに出合うまでは、他人の人生を生きているような感覚でした。人が決めたルートをなんとなく歩み、先輩たちが歩んでいるキャリアをただ、たどっているだけ。 私も一般的なルートから外れることをすごく恐れていたので、迷う人の気持ちが痛いほどわかります。私だって最初から我が道を行くタイプではまったくなかったですし、世間の目やまわりの声が人一倍、気になるタイプなんです。
── 他人の人生を生きているよう、まわりの目が気になる…。現在のハラミちゃんと正反対ですが、どんな心の変化が? ハラミちゃん:このままこの道を歩き、年老いて自分が病院で死ぬ姿を想像したら、「これでいいんだっけ」「なんとなく歩いてきた人生だった」と思うだろう、このまま死ぬのはもったいない、と気づいたんです。 やっぱり「いい人生だった」と言いたいし、まだ時間があるなら自分が納得できる人生を選びたいと考えたのは大きいですね。「やりたいことをやれなかった」と死ぬとき後悔するのは絶対イヤだと直感的に感じて、ポップスピアニストの活動に舵を切りました。
── 自分が笑顔になれる道を選んで4年たちました。いまのお気持ちは? ハラミちゃん:こんなラッキーなことはない、という感覚です。毎朝起きて、今日も生きることが幸せでしかたない感情がわいてきます。 PROFILE ハラミちゃん ポップスピアニスト。「ピアノを身近な存在にする」を目標に、2019年からYouTubeにて活動開始。YouTubeのチャンネル登録者数222万、動画総再生数7億回以上。日本全国、世界各地のストリートピアノへと出向き、YOSHIKIさん・広瀬香美さんなど多くの著名人とのコラボ。2023年、全国47都道府県ツアーで5万人を動員するなど活動の幅を広げている。
取材・文/岡本聡子 写真提供/ハラミちゃん
岡本聡子