「他人の人生を生きているようだった」ストリートピアノで才能が開花 ハラミちゃんを突き動かした原動力
こういう職業(ポップスピアニスト)になりたいと言ってもらえて、子どもたちが自分の背中を見てくれている気がして、すごく活動冥利につきます。
■全国の子どもたちに電子キーボードを寄付した理由 ── その子どもたちにとってのピアニストは、「豪華なドレスを着て静まり返ったホールでクラシックを弾く人」ではなく、ハラミちゃんなんでしょうね。昨年、電子キーボードを全国の保育施設に寄付したニュースをみましたが、どのようなきっかけで?
ハラミちゃん:たまたまCASIOさんからご提案いただいたので、いいアイデアだと賛同し、一緒にやっています。47都道府県コンサートツアーを行う際、各都道府県に2台ずつ寄付しました。私がふだんから愛用している機種を、顔写真つきのお手紙を同封して贈りました。 ── 子どもたちは、実際に触れられる贈り物が届いて嬉しかったでしょうね。 ハラミちゃん:子どもたちから「ありがとう」というお手紙や動画をたくさんいただきます。みんな自由にバンバン触っていいし、見た目もカラフルですごくかわいいキーボード。いわゆる黒いピアノ以外をはじめて見る機会だと思います。
こういうのって子どもにとってすごく大事じゃないですか。カラフルなピアノもあるんだ、これだったら怖くない、触ってみようというきっかけになればいいですね。
■「世間の目や常識より」朝起きたときに幸せを感じる人生を ── ストリートピアノを弾く女の子が主人公の児童書監修や、子ども・子育て相談室の回答者を務めるなど、ハラミちゃんの活動分野は広がっています。本当に好きなものを見つけ、いろんな人にピアノの魅力を広げる日々ですね。でも、好きを仕事にするのを迷う人も多いようです。
ハラミちゃん:一歩踏み出すって大きな覚悟がいるように思えるかもしれませんが、私が何も考えずに初めてストリートピアノを弾きにいったように、身近な小さいところから始めてみるといいと思います。 これは個人的な考えなのですが、人生にはキャリアがいくつあってもいいと思います。本当はみんな限界なんてないんですが、やはり3年間は続けなきゃとか、けっこう他人の目を気にしちゃう部分はありますよね。 でも、自分の人生において好きなことって、何個も見つかるものではありません。好きなことが1個でも見つかって仕事にしたいと思っているなら、やらずに人生終わるのはもったいないです。