男女問わず1～99パーセンタイル（人体寸法）まで、幅広いクルーに対応できるようにデザインされた宇宙服。

世界有数のラグジュアリーブランド「プラダ（PRADA）」が、イタリア・ミラノで開催された国際宇宙会議で、米国の宇宙開発企業「アクシオム スペース （Axiom Space）」と共同で開発した宇宙服を発表した。開発の最終段階を迎えるこの宇宙服は、次世代のデザインを向上するべく、異業種間協力によるクリエイティビティとエンジニアリングを融合している。 【拡大写真】宇宙服の全体図と細部。 NASAが主導する国際的な有人月面着陸計画「アルテミス計画（Artemis program）」で着用される予定の同宇宙服。カバー層に使われているのは、プラダの専門知識によって実現した特別仕様の素材だ。新しい製織技術は、月面の特殊な厳しい環境から宇宙飛行士を守る。また、身体状態を管理する生命維持装置をも搭載し、宇宙空間で約8時間の活動を可能としている。その先進技術は、より快適な宇宙の旅を実現するだろう。 優れた機能性だけでなく、そのデザインも注目を集めている。さまざまな性別や人種の飛行士に対応するようこの宇宙服は、「将来の宇宙探査への意欲を視覚的に駆り立てる」ことをイメージして制作。強い存在感を示すいくつもの「赤いライン」は、プラダらしいスタイリッシュさを持ち、より魅力的な宇宙服の新しい可能性を広げている。 高い柔軟性、機能性、安全性を叶えると同時に、より洗練された外観を備えた宇宙服。今回のパートナーシップは、宇宙服開発を再定義しただけではなく、異業種間協力の新たな基盤モデルを打ち出したに違いない。