「パニック状態になりかけた」 ジェット船…大荒れの海で漂流22時間 乗客語る「緊迫の一部始終」
日テレNEWS NNN
24日に乗客乗員121人を乗せたまま漂流したジェット船が、25日朝、伊豆大島に到着しました。当時、船内ではなにが起きていたのか。22時間ぶりに船を下りた乗客が「パニック状態になりかけた」「トイレに行くのも必死だった」などと「緊迫の一部始終」を語りました。 ◇ 突如、身動きが取れなくなったジェット船。海面が見えたり、見えなくなったり…、乗客は激しい揺れに何度も襲われました。次第に響き渡ったのは…えずく人の声。 乗客 「パニック状態になりかけた」 「万が一の転覆という可能性も考えていた」 緊迫の22時間。
24日、乗客乗員121人を乗せたまま漂流した東海汽船のジェット船「セブンアイランド愛」。東京・竹芝を出港し、伊豆諸島の式根島を経由して新島に向かう予定でしたが、油漏れによってかじがきかなくなり、自力航行不能に。千葉の南の海上で漂流する事態となりました。 その後、駆けつけた海上保安庁の船などに引っ張られながら伊豆大島へ。夜を徹して行われた移動。 記者(25日午前3時ごろ 伊豆大島) 「まだ暗い海の中に、小さな光が見え始めました。3つほど光が見えます」
夜明けとともに、見えてきたジェット船。乗客たちが船を下りたのは、出発から約22時間後のことでした。 記者(午前5時45分ごろ 伊豆大島) 「少しだけ笑顔も見られています」 ◇ 船内はどんな様子だったのか。宿で休憩を終えた乗客が、一部始終を語ってくれました。 乗客 「出港して約1時間で、1回船が速度を落として、点検に入りますと」 1時間ほど待ったあと、再びアナウンスが。
乗客 「航行不能になりました。エンジン切った瞬間に、横揺れがすごくてびっくりした」 「これくらいは揺れていた」 「その瞬間に子どもたちが泣き叫んで、30分~1時間くらいパニック状態になりかけた」
すぐに駆けつけた海上保安庁の巡視船。しかし、助けを待つ船内の揺れは激しく、えずく人が。船酔いがひどいためか、ぐったり横たわる乗客の姿も。 乗客 「おう吐される方も結構増えてきて、トイレに行くのも必死で、つかまりつかまりで行かないといけない」 大荒れの海の中の移動。 「あっぶねぇ!!」 別の船とあわや衝突、緊張が続く中…。出発から約11時間。海上保安庁からヘリコプターで支援物資が届きました。おにぎりや飲み物が配られたといいます。 不安な夜を迎えた乗客。 ──みなさん寝た? 乗客 「寝てはいたけど、いろんな声とか揺れで、寝た気にはなれない」 そしてようやく… アナウンス(出発から22時間 午前5時半ごろ) 「長い船旅でございました。誠にご迷惑をおかけしまして、心よりおわびを申し上げます」 22時間ぶりにたどりついた“陸”。