たった10分間でOK!60分間のサイクリングより効果的な、余分な脂肪を落とすトレーニングを専門家が解説
年末年始を控え、どうしても普段の食事より食べ過ぎてしまう日々が続く時期。 「一刻も早く余分な脂肪を落としたい!」と思いながらもなかなか思うように、痩せないという人も多いのでは? パーソナルトレーナーの林健太さんによると実は、糖質を摂ることも脂肪燃焼には重要だという。 【動画】10分間でOK!みるみる脂肪燃焼をしてくれるトレーニングの組み合わせ ▼林健太/NESTA公認トレーナー SIXPADオフィシャルトレーナー
運動不足の深刻化
WHOは2025年までに運動不足の人の割合を10%、2030年までに15%減らす目標を掲げているが、運動不足は深刻化する一方。日本人におけるその理由の最たるものが、忙しいからという時間的な理由。しかし、運動の実施が増加した理由も忙しいからという矛盾した結果が出ている。 「忙しいからという理由は建前であり、真実はもっと深いところにあるのかもしれません。近年では、一日たった3秒の筋トレでも効果があるとの研究結果も発表されているほどなので、まずは短時間でもやってみることこそが脂肪燃焼の近道です」
10分でも運動には十分な時間
WHOの身体運動・座位行動ガイドラインによると、少しの身体活動でも、何もしないよりは良いと明記されている。まずは脂肪燃焼が安全にできる、健康的な体を手に入れるためにも、毎日少しでも運動する習慣が大切。筋肉の増加が日常生活における脂肪燃焼を促進する近道であることは既に周知のとおり。 「たった10分という限られた時間でトレーニングを行うのに効率的とされるのがHIIT(高強度インターバルトレーニング)トレーニングです。高負荷の運動と休憩または低負荷の運動を交互に行うトレーニングで、様々なメリットが研究で明らかになっています」 ▼HIITトレーニングって? HIITという言葉が一人歩きしてしまい、巷のジムでも良く聞くトレーニング法になってきたが、トータルの運動時間は4~30分ほどの、俗にいうタイムパフォーマンスの良いトレーニング方法の代表。 20秒~1分程度の短時間高強度の主運動を行い、これと同等もしくはそれ以下の時間設定で回復運動を挟んで反復するトレーニングで、最大心拍数85%以上で行うことが一つの基準となっている。 「運動時間や運動の種類によって様々な方法が考案され、日々その有効性を検討する研究がなされています。よく耳にするTABATAトレーニングもHIITトレーニングの一種ですが、必ずしもアスリートや体力上級者のためのトレーニングではありません」 省スペースで自重のみで実施可能なため、自宅でも十分なトレーニングが可能。また、体力レベルに合わせた時間やセット数で行うことで、誰にでも実施可能なトレーニングに変更できるのもHIITトレーニングの魅力の一つと言える。 HIITが脂肪燃焼に効果的な理由 脂肪燃焼は、酸素を必要とするエネルギーシステムが働く必要があるため、安静時や比較的易しい運動中に優位に働くとされている。つまり、日常生活のほとんどは脂肪エネルギーで賄われており、糖エネルギーが中~高強度の運動のHIITトレーニングの主要エネルギー源となる。 しかし、HIITでは脂肪燃焼も促進されることが数々の研究で明らかにされている。これは直接的な作用よりは、むしろ間接的な作用とも言える。 「HIITトレーングでは様々なホルモン分泌が促進される上に、強度が高ければ高いほど、アフターバーンと呼ばれるEPOC (運動後過剰酸素消費量)が大きくなります。運動後48時間までカロリー消費が続くという研究結果もあるので、時間のない人には最適なトレーニングです」 60分間のサイクリングと、高強度で2分間、低強度で2分間サイクリングするというHIITを比較した実験では、後者の方が24時間で160kcal も多く消費するという結果が出ている。