日米同盟を「対等な同盟に」石破首相の空想 決定的に違う「核を保有しているか否か」…日本の限界は大きく まず憲法改正を
【石破政権「机上の空論」国家安全保障最前線】 石破茂首相は「日米の対等な同盟」を主張していて、米シンクタンク「ハドソン研究所」のホームページで発表した寄稿文「日本の外交政策の将来」に、まず「米英同盟なみに日米同盟を強化する」として以下のように書いている。 【表でみる】衆院選…石破首相・高市氏の総裁選推薦人の情勢 「石破政権では 戦後政治の総決算として米英同盟なみの『対等な国』として日米同盟を強化(する)」「アーミテージ・ナイ・レポートはかつて米英同盟の『特別な関係』を同盟のモデルとして、日米は『対等なパートナー』となることを提案した。今、それが可能となり、米国と肩をならべて自由主義陣営の共同防衛ができる状況となり、日米安全保障条約を『普通の国』同士の条約に改定する条件は整った」 石破首相は、日米の関係がかつては対等ではなかったが、今や対等になり「自由主義陣営の共同防衛ができる状況となった」と言いたいのであろうが、それは空想でしかない。 日米関係は決して対等ではない。決定的に違うのは「核を保有しているか否か」だ。非核国家でなおかつ完全な集団的自衛権を有していない日本の限界は大きく、石破首相が主張する「米国と肩をならべて自由主義陣営の共同防衛ができる状況になった」とは言えないのである。 石破首相は寄稿文で、日米安保条約は「非対称双務条約」であり改定すべきだとも指摘している。 「アメリカは日本『防衛』の義務を負い、日本はアメリカに『基地提供』の義務を負うのが現在の日米安全保障条約の仕組みとなっているが、この『非対称双務条約』を改める時は熟した。日米安全保障条約と地位協定の改定を行い自衛隊をグアムに駐留させ日米の抑止力強化を目指すことも考えられる。そうなれば、『在グアム自衛隊』の地位協定を在日米軍のものと同じものにすることも考えられる。さらに、在日米軍基地の共同管理の幅をひろげていくなどすれば在日米軍の負担軽減ともなろう」 日米安保条約は通常、「非対称双務条約」ではなく片務条約と呼ばれている。米国は日本防衛の義務を負うが、日本は米国防衛の義務を負わないからだ。この片務性は日本にとってある意味で都合の良いものである。