日米同盟を「対等な同盟に」石破首相の空想 決定的に違う「核を保有しているか否か」…日本の限界は大きく まず憲法改正を
石破首相のように、地位協定の改定やグアムへの自衛隊駐留、在日米軍基地の共同管理を主張するのであれば、米側が「片務性こそ問題であり、日本も米国防衛の義務を負いなさい」と反論してくるのは火を見るより明らかだ。そこまでの危険を冒してまで地位協定の改定やグアムへの自衛隊駐留を主張すべきではない。
もしも日本が米国と対等な国として米英同盟なみに日米同盟を強化したいのであれば、日本には集団的自衛権の行使が求められる。つまり、憲法を改正して集団的自衛権の行使が可能な普通の国家になる必要がある。
しかし、石破首相のハドソン寄稿文には憲法改正の記述がない。まずは憲法改正から始めなければいけない。
■渡部悦和(わたなべ・よしかず) 元陸上自衛隊東部方面総監、元富士通システム統合研究所安全保障研究所長、元ハーバード大学アジアセンター・シニアフェロー。1955年、愛媛県生まれ。78年東京大学卒業後、陸上自衛隊に入隊。その後、外務省安全保障課出向、ドイツ連邦軍指揮幕僚大学留学、第28普通科連隊長(函館)、防衛研究所副所長、陸上幕僚監部装備部長、第2師団長、陸上幕僚副長を経て2011年に東部方面総監。13年退職。著書・共著に『日本はすでに戦時下にある』(ワニブックス)、『宇宙安全保障』(育鵬社)、『台湾有事と日本の安全保障』(ワニブックスPLUS新書)など多数。