金村義明「イチローは勝利に懸ける思いがすごかった」日本が優勝した第1回「WBC」を回顧
◆大谷翔平の振る舞いに反省!?
金村:ずっと(大谷選手のことを)見ているわけではないですが、侍ジャパンのメンバーや一緒に仕事をする人などにいろいろとリサーチをすると、(日常生活を)すべて野球に置き換えてやっていると。 誰よりも早くジャージを着て、誰よりも早くホテルでも食事して……日本ハム時代は外出禁止でしたからね。遠征先でも栗山さんのOKがなければ。だから、アメリカに行ってもどこにも出かけたことがないと。 だから、大谷翔平の新事実が出るたびに僕はいつも反省するんです。“僕はなんて(大谷選手とは)真逆なことを……だから僕はアカンかったんや”みたいな(苦笑)。 藤木:金村さんも、大谷選手みたいにストイックにやり続けていたら、残した数字も違ったと思いますか? 金村:もう少し成績も伸びているはずですよ。だけど、(現役時代の)僕は「“眠らない街”東京に行ける!」「次の遠征先は朝まで開いている店が多い!」って遊ぶことを第一に考えていたから(苦笑)。 藤木:当時は豪快な選手も多くて、朝になってもお酒のにおいがするような……(笑)。 金村:もちろん! そのほうがかっこいいとすら思っていましたね。でも大谷選手を見ながら“あの当時は馬鹿だったな”と、常に反省の日々です(苦笑)。
◆イチローと大谷選手に共通する“マインド”
藤木:WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)というのは(野球選手にとって)かなり大きい存在ですか? 金村:ものすごく大きいです。 藤木:しかも、第1回大会で日本が勝ったということが大きかったですよね。 金村:あのときのWBCはというと“日本が勝手にやっている”みたいな……アメリカもそこまでしゃかりきになっていなくて“メジャーリーグのすごい選手は出さない”みたいな(空気があった)。 そのなかで、当時は僕もたっぷり取材させていただいて、イチローのバッティングピッチャーもさせていただきました。30分投げて命がけで勝負しましたよ。 藤木:イチローさんはすごかったですか? 金村:(勝利に)懸ける思いがすごかったですね。忘れもしませんが、彼は「メジャーリーグに日本の野球は絶対に負けない」と自負していましたし、「WBCに選ばれて“楽しみたい”というメンバーがいたら僕は辞退します」って言うぐらい気合が入っていました。 藤木:そういう意味では、大谷選手の「憧れるのをやめましょう」という発言も……。 金村:ニュアンスは違いますけど、イチローと同じような考えだと思います。 (TOKYO FM「SPORTS BEAT supported by TOYOTA」2024年9月7日(土)放送より)
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