「今、再発見されるべき」 相米慎二監督名作リマスター版公開で是枝監督、濱口監督がコメント
2001年9月9日に53歳の若さで亡くなった相米慎二監督の「お引越し」(1993年)、「夏の庭 The Friends」(94年)の4Kリマスター版がビターズ・エンドの配給で、12月27日の東京・Bunkamuraル・シネマ渋谷宮下、新宿武蔵野館から順次全国公開される。公開を前に、是枝裕和監督(62)と濱口竜介監督(45)のコメント付き予告編が11月16日午前10時に解禁となった。 日本が世界に誇る2人の名匠。2018年、第71回カンヌ国際映画祭に出品した「万引き家族」で最高賞パルムドールを射止めた是枝監督は「エドワード・ヤン、侯孝賢、北野武に比肩する映画作家として、相米慎二という名前は、今まさに再発見されるべきだ」、そして「ドライブ・マイ・カー」が2022年、第94回アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞した濱口監督は「相米慎二監督の作品は、どの映画にも、驚くべき身体が映り、声が響いている。そう、驚くのだ。何度でも、何度でも」とコメントしている。 ひこ・田中氏(71)の原作を、田畑智子、中井貴一、桜田淳子らを起用して映画化した「お引越し」(93年)は昨年のベネチア国際映画祭クラシック部門で最優秀復元映画賞を受賞。フランスでは130館以上で公開されるなど、ヨーロッパ各国や北米で改めて注目を集めた。また三國連太郎さんが主演した「夏の庭 The Friends」も香港国際映画祭でワールドプレミア上映され、絶賛された。 「セーラー服と機関銃」「台風クラブ」「ラブホテル」「あ・春」など数多くの傑作を残した相米監督。亡くなって23年が過ぎたが、その作品群は全く色あせることなく、人々の胸に迫る。4Kリマスター版でよみがえる「お引越し」「夏の庭 The Friends」の上映は相米ファンにはたまらないプレゼントだ。