異例の代表ダブル発表。森保監督は兼任監督ゆえの物理的難題をどう解決するのか?
ベネズエラ代表(16日・大分スポーツ公園総合競技場)、キルギス代表(20日・豊田スタジアム)と対戦するキリンチャレンジカップ2018に臨む日本代表と、UAE(アラブ首長国連邦)で開催されるドバイカップU-23に出場するU-21日本代表のメンバーが7日、日本サッカー協会(JFA)から同時に発表された。 23人が招集された日本代表には、鹿島アントラーズで11ゴールをあげている22歳のFW鈴木優磨と、肺気胸で離脱した長友佑都(ガラタサライ)に代わる左サイドバック候補として25歳の山中亮輔(横浜F・マリノス)が初招集。同じく23人が招集された東京五輪世代となるU-21日本代表には、17歳のMF久保建英(横浜F・マリノス)が初めて名前を連ねた。 ともに森保一監督(50)に率いられるチームだが、前者は12日から大分市内で合宿をスタート。後者は11日深夜に離日し、現地時間14日にウズベキスタン代表、同17日にクウェート代表、同20日にはUAE代表と対戦して21日に帰国する。 日程が完全に重複するためA代表は森保監督が、U-21代表は森保ジャパンの横内昭展コーチ(50)が監督代行として指揮を執ることになった。 「同時に2つの代表の活動をしますが、横内コーチとはこれまでも長く仕事をしていて、意思疎通も取れています。常に同じ絵を描きながら進んできているので、この2つの活動が成長につながるいい経験になると思っています」 東京・文京区のJFAハウスで、7日午後に行われた記者会見。兼任監督ゆえに、過去に例がないA代表とU-21代表のダブルメンバー発表に臨んだ森保監督は、A代表の監督に就任してから初めて重複した2つの代表チームの日程を努めてポジティブに受け止めた。 サンフレッチェ広島でも2人は監督とヘッドコーチとして長くコンビを組み、3度のJ1制覇を勝ち取った。森保氏がU-21代表監督に就いた昨年12月には、横内氏もヘッド格のコーチとして入閣。森保監督が西野ジャパンのコーチを兼任し、ワールドカップ・ロシア大会への最終準備に追われていた5月下旬には、フランスで開催されたトゥーロン国際大会の指揮を横内コーチが監督代行として執っている。 「横内監督が指揮を執ることは私が執るのと同じことであり、横内コーチが言っていることは私が言っていることと同じ。自信をもってやってもらえると思っています」 横内コーチとの一心同体を強調した森保監督は、9月及び10月のキリンチャレンジカップ2018でベンチ入りした和田一郎コーチ(44)をU-21代表に帯同させることも決めた。2人のタッグを介して、自身のイズムを東京五輪世代に注入していく青写真を描いている。