ロッキーズ戦の五回、52号2ランを放ったドジャースの大谷翔平＝9月20日、ロサンゼルス（水島啓輔撮影）

米大リーグ、ドジャースの大谷翔平（30）は前人未到の「50―50（50本塁打、50盗塁）」到達翌日の20日、地元ロサンゼルスに〝凱旋〟し、ロッキーズ戦に「1番・指名打者」で出場。五回の第3打席に52号2ランを放つと、七回には二盗を決めて記録を「52―52」に伸ばした。レギュラーシーズンは残り8試合となる中、次の節目の「55―55」に期待する声も上がっている。 【写真】大谷翔平の「50本塁打、50盗塁」達成で販売された記念Tシャツ ■記録達成の経済効果も 一回の第1打席に入る直前だった。前日に敵地で快挙を達成した大谷を地元ファンはスタンディングオベーションで出迎え、本拠地ドジャースタジアムは「MVP」コールに包まれた。歓声に後押しされるように、この日の大谷は4打数３安打２打点１盗塁と好調を維持した。 「50―50」達成は米国メディアでも高い関心を持って取り上げられている。「30歳の彼は、まさに生きる伝説だ」。畏敬の念とともに大谷をたたえたのは、老舗雑誌「スポーツ・イラストレーテッド」（電子版）。同誌は「今や大谷は、野球の歴史の中で唯一の存在となっている」と賛辞を惜しまなかった。 また、経済誌フォーブス（電子版）は「米大リーグ機構（MLB）のオンラインストアではあらゆるものが販売されているが、50―50を達成した初の選手をたたえるアイテムが用意されるのは明らかだ」とし、記録達成による経済的な効果を期待した。 ■8試合中〝投壊〟ロッキーズと5試合 大谷の快挙について、大リーグ評論家の福島良一さんは「（『50―50』は）メジャーでも過去に前例のない大記録。選手としてのすごみを改めて思い知らされた」と評価する。 ナ・リーグ西地区首位のドジャースは、すでにポストシーズン進出が決定。地区優勝に向けて佳境を迎えている。残り8試合の内訳は、2位パドレスとの3試合を除いた5試合が最下位ロッキーズとの対戦になる。ロッキーズはチーム防御率が5・40でメジャー30チーム最下位。また、この日の2ランを含め、大谷が27本塁打を放っている本拠地ドジャースタジアムで5試合を戦えるのも好材料だ。 福島さんは「ロッキーズとの対戦カードが多いことを考えると『55―55』も十分に狙えるのでは」と期待を込めた。（浅野英介）