監督に送った1通のメールから6年。俳優・宮田佳典、企画から参加した代表作の誕生に喜び「念願が叶って本当にうれしい」
――間もなく劇場で公開されるわけですが、いかがですか? 「不思議な感覚です。最近、この映画の感想をずっと考えていたんですけど、なかなか言えなくて。自分が参加した他の作品の感想だったら結構具体的に言えると思うんですけど、なんでだろうなと。 今回とくに製作にガッツリ関わっているとかではないですけど、もしかしたらこの作品に関して僕は感想を求める立場にあるのかもしれません。全部のシーンが好きで思い入れもあるので、感想はゆっくり探します(笑)」 ――念願通り新宿武蔵野館も公開劇場に入っていますね。 「はい。五十嵐さん、皆さんのおかげです。最初に五十嵐さんに出したメールに『僕らは新宿武蔵野館で上映したいと考えています』って書いていたので、それが叶って本当にうれしいです」 ――今後はどのように? 「今は舞台とか、朗読劇の企画を考えたりしています。自分の人生なので、誰かに任せるというよりは、自分でも行動していくということを大事に進んでいきたいなと思っています。 オファーが来るのを待つより、作るマインドでいたほうが、人生も楽だし、楽しいんじゃないかなって(笑)。 あとは芝居の研究みたいなことをするのも好きです。今年から週2、3回くらい、午前中とかに朝練みたいな感じでやっていますが、そうすると感覚が研ぎ澄まされていくというか、瞬発力を求められる現場や演出に対してもいつもと変わらなく対応できるようになってきたと思います。 一流の人は、毎日撮影じゃないですか。だからどんどんうまくなっていく。僕は毎日何かをしなくてはうまくならないのではないかと思っていて。もちろん俳優は練習だけでないのが難しいところですが、そういう研究というか練習で勝手に忙しくしている感じです。 これが正しいかどうかはわかりませんし、不安だからしているだけかもしれませんが、それが現時点での答えのひとつですね。あと、恥ずかしいですが自分の自伝みたいなものを書いています(笑)」 演技に対する真摯な姿勢が気持ちいい。企画から参加した映画『SUPER HAPPY FOREVER』がベニス・デイズ部門での日本映画初のオープニング上映作品となり、初めての海外がベネチア国際映画祭となった宮田さん。貴重な経験を糧にさらなる活躍を楽しみにしている。(津島令子)
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