NPB12人輩出! 文武両道・準硬式部員が燃える「2大大会」がアツすぎる! <田中裕毅の”準硬ドットコム”第5回>
12人のプロ選手輩出!選手のレベルは硬式にも劣っていない!
レベルに問わずに誰でもプレーできる寛容性。学生たちの主体性を重んじる風土、そして文武両道といった何事にも挑戦できる環境が準硬式の魅力だ。これだけ聞いていると準硬式は、気軽に楽しくプレーできる世界だと認識するだろうが、レベルはもちろん高い。 75年の歴史を振り返ると、以下の選手が大学準硬式、もしくは準硬式を経験したのち、社会人などを経てNPBの世界に飛び込んでいる。 【動画】プロ志望の147キロ右腕も登場!大学準硬式、最高峰の大会がアツすぎた! 上田正則(沖縄大):1974年ドラフト外・ロッテオリオンズ 池畑満也(沖縄大):1975年ドラフト外・ロッテオリオンズ 呉俊宏(法政大):1987年ドラフト外・横浜大洋ホエールズ 山田和幸(早稲田大):1994年ドラフト6位・西武ライオンズ 青木勇人(同志社大):1999年ドラフト6位・西武ライオンズ 山本歩(関西学院大):2005年ドラフト5位・西武ライオンズ 神田直輝(群馬大):2009年ドラフト育成5位・巨人 川口盛外(早稲田大):2009年ドラフト6位・広島 鶴田圭祐(帝京大):2016年ドラフト6位・楽天 坂本工宜(関西学院大):2016年ドラフト育成4位・巨人 大曲錬(福岡大):2020年ドラフト5位・西武 高島泰都(明治大):2023年ドラフト5位・オリックス 総勢12人と、まだまだ多いとは言いにくい人数とはいえ、トップ選手はNPBの世界に飛び込んでいけるレベルが準硬式。気軽に楽しくという一面もありながら、やりこむチームは本気でとことんプレーできる。その二面性、器の大きさが準硬式の魅力だと、改めて伝えたい。
笑顔も涙もこぼれるほど準硬式は本気だ!
選手個々のレベルの高さはわかった。では大会はどうなのか。高校野球であれば3月のセンバツ、そして8月の甲子園という、一般のファンでも認識している大舞台がある。多くの学校が「甲子園出場」という目標とともに、全国大会を目指して日々の練習に打ち込む。だから、高いレベルの試合が毎年甲子園を沸かしているのだ。 そんな2つに相当するような熱い大会が大学準硬式にあるのか。答えはイエスだ。 準硬式にとって、大きな大会が2つ。1つ目が8月に開催される文部科学大臣杯 全日本大学準硬式野球選手権記念大会。通称、全日大会と呼ばれる全国大会だ。 高校野球でいうところの夏の甲子園という位置づけだとわかりやすいかもしれない。全国を9ブロックに分割し、それぞれのブロックで予選会などを実施。その予選で勝ち上がった精鋭だけが出場できるのが、全日大会である。 私が所属していた日本大学三崎町は関東連盟にいたが、まず春季リーグで2位以内に入らなければ、全日大会出場をかけた予選会に出場すら許されなかった。さらに予選会を出場しても、東京六大学や東都と言った他のリーグの強豪校から勝利しなければならなかった。 高校野球のように49地区ごとにトーナメントを開催することはないが、各ブロックで熾烈な戦いが行われており、真の強豪が集まるのが全日大会なのだ。 この全日大会に負けず劣らず、同じく全国大会と位置付けられているのが、9月に開催される清瀬杯 全日本大学選抜準硬式野球大会、通称、清瀬杯と呼ばれるものだ。初代会長である清瀬三郎氏の名前から命名された大会は、高校野球でいうところのセンバツだと思ってほしい。 全日大会同様、9ブロックそれぞれから出場チームが選出。選ばれた学校同士が日本一をかけて戦うのが清瀬杯だ。その選出方法は各地区によって異なるが、私がいた関東地区の場合、厳密に決められていた。 予選は3段階に分けられた勝ち抜けトーナメント。勝ち上がった学校から出場権を掴むが、ここがやや難しい。