消える「6気筒エンジン」 ストイキ直噴主流の時代での存在意義
それでも6気筒が必要ならどうする?
ということで、このモジュラー化が進む未来には6気筒エンジンの居場所がない。それでもEセグメントでどうしても6気筒のプレミアム性が必要な場合はあるだろう。それはどう解決するのか? 販売台数が少なく、直4でカバーできる状況下では単独でV6を新規開発するのは難しいだろう。となれば、いま盛んに行われているメーカーの提携がキーになってくるはずだ。4気筒エンジンではすでに先例がいくつかある。スカイラインはベンツのエンジンを搭載しているし、プジョー/シトロンとミニはエンジンを共同開発している。トヨタとBMWもすでに共同開発を発表済みだ。こういうリスクヘッジをしないともう6気筒エンジンを作ることが難しい時代になっているのだ。 エンジンはクルマの個性を決める大事なユニットだ。にもかかわらずコストダウンという時代の要請の中で、バリエーションはどんどん減っていくことが予想される。しかし、クルマの商品性を考えた時、果たしてそれで大丈夫なのか、それでも「欲しい!」と思わせることができるのか? そんなことはメーカーも分かっているはずだ。ただそのために同じエンジンをどうやって違う味に仕上げてくるのか、そのあたりの技術は、ひとまずモジュラー化がひと段落した後にテーマになってくるに違いない。 (池田直渡・モータージャーナル) ※「理論空燃比」…空気とガソリンの最適な比率は重量比で「14.7:1」と決まっている