鬼才アニメ監督によるゴシックホラーの傑作『バンパイアハンターD』“日本語キャスト版”が初の全国上映
鬼才・川尻善昭監督によるゴシックホラーアニメーション映画『バンパイアハンターD』のオリジナル日本語バージョンが、2月28日(金)より全国62箇所の劇場で、1週間限定でリバイバル上映されることが決定した。 【画像】『バンパイアハンターD』場面カットを見る 聞き慣れない“オリジナル日本語バージョン”という言葉──実は『バンパイアハンターD』は2000年にアメリカで先行公開、翌年の日本公開時はキャストが英語版のまま、日本語字幕での上映だった。 製作25周年を記念した今回のリバイバル上映は、田中秀幸さん、永井一郎さん、山寺宏一さん、林原めぐみさんら声優陣による日本語版が、はじめて劇場で上映される貴重な機会となっている。 リバイバル上映は、レビューサービス・Filmarks(フィルマークス)主催で実施される。
バンパイアハンターの戦いを描くゴシックホラー
『バンパイアハンターD』は、菊地秀行のベストセラーシリーズ小説を原作に、『妖獣都市』(1987年)や『獣兵衛忍風帖』(1993年)で知られる川尻善昭監督が手がけた劇場アニメーション映画。 「貴族」と呼ばれるバンパイアに連れ去られた荘園主・エルバーン家の令嬢であるシャーロットを救うため、吸血鬼と人間のハーフであるバンパイアハンター・Dが活躍する姿を描いている。 主人公・Dとバウンティハンターの一団が、奇怪な能力を持つ闇の刺客たちと凄絶な死闘を繰り広げるゴシックホラーアクションだ。 キャラクター原案を、原作小説シリーズのカバーイラストを手がけるイラストレーター・天野喜孝さんが担当。アニメ制作は『葬送のフリーレン』のマッドハウスが手がけた。
大友克洋、りんたろうらと並ぶ鬼才アニメ監督 川尻善昭
川尻善昭監督といえば、ハードボイルドテイストな作風で知られるアニメーター/アニメーション監督であり、アニメスタジオ・マッドハウスの創設メンバーの一人としても知られている。 1987年公開のオムニバスアニメ映画『迷宮物語』では、りんたろう監督(「ラビリンス*ラビリントス」)、大友克洋監督(「工事中止命令」)と共に、「走る男」を監督。 SF映画『マトリックス』の世界観をモチーフにしたオムニバス企画『アニマトリックス』では、「プログラム Program」「ワールド・レコード World Record」の2本を監督している。 世界からも支持を集めるクリエイターは、現在もTVアニメに絵コンテで参加。前述した『葬送のフリーレン』の第4話、第13話などでもクレジットを確認できる。
“セルアニメの芸術”とも評される傑作を劇場で
リバイバル上映が決定した『バンパイアハンターD』では、圧巻の作画によって、スタイリッシュなアクションと華麗かつ耽美なゴシックホラー的世界観を表現されている。 現在も国内外で高い人気を誇る傑作を劇場で、それも日本語版キャストの音声で堪能できる、またとない機会になりそうだ。 なお、リバイバイル上映とあわせて、『バンパイアハンターD』の高画質リマスター版Blu-rayの発売も決定している。 (C) 2001 トライストーン・エンタテイメント/菊地秀行/バンパイアハンターD製作委員会
恩田雄多