『ブレス オブ ファイア V ドラゴンクォーター』が発売された日。暗い地下を舞台にしたシビアな難度のRPG。最後に地上に出られたときの解放感は唯一無二【今日は何の日?】
死んでやり直すことが前提のゲームシステムが特徴 いまから22年前の2002年(平成14年)11月14日は、プレイステーション2(PS2)用ソフト『ブレス オブ ファイア V ドラゴンクォーター』が発売された日。 【記事の画像(8枚)を見る】 本作はカプコンのRPG『ブレス オブ ファイア』シリーズの5作目にあたります。『ブレス オブ ファイア』はコミカルな展開もあれば、心をえぐるシリアスな展開もあるシリーズで、本作に関しても世界観や主人公の性格など、シリアスで重いのが特徴です。 大災害によって地上を追われ、地下で暮らすことを余儀なくされた時代。人々は生まれたときに“D値”という数値を計測され、これによって職業や居住区が決まります。D値が高い人ほど優雅な上層区に住める一方、D値が低い人は大気汚染が深刻な下層区で暮らすことを強いられ、“ローディ”として差別を受けることに。 主人公のリュウは下層で暮らすレンジャーで、任務の途中でニーナという女の子と出会います。ニーナは体に施された実験のせいで、地下世界の汚れた空気が体に悪影響を及ぼすことが判明。リュウはニーナを救うために空気清浄な地上へ連れていくことを決心します。 リュウとニーナのほか、反政府組織トリニティのメンバーでもあるリンも重要キャラクター。パーティメンバーでもある彼女は序盤こそリュウと衝突することもありますが、境遇を知ったあとはリュウやニーナの面倒見を見てくれる頼れる女性に。ともに空を目指す大事な仲間になります。 もうひとりの重要キャラクターがボッシュ。リュウのことを相棒と呼んでいますが、高いD値を持つ彼は内心ではD値の低いリュウのことを見下しています。父のスパルタ教育で育ち、異常なまでにプライドが高いボッシュは、リュウが自分を追い越すことを許せずに敵として何度も立ちはだかります。名作と呼ばれる本作の物語をよりドラマチックにしているのは、紛れもなく、このボッシュがいるから。とてもいいキャラクターです。 ゲームシステムで重要なのがDカウンターです。リュウは冒険の中で竜の力を得て、戦闘中に竜に変身してパワーアップすることができるようになります。しかし、その代償としてDカウンターが上昇していき、カウンターが100%になると力が暴走してゲームオーバーに。Dカウンターはフィールドを歩いているだけで上昇するので緊張感があります。また、本作はセーブポイントでしかセーブできず、有限のアイテムを使用する必要があるため、つねにゲームオーバーと隣り合わせのヒリヒリとした状況を楽しむことができます。 そんな本作はくり返しながらゲームを進めていくタイプのゲームで、“SOL”というシステムを実装。SOLはScenario OverLay(シナリオ・オーバーレイ)のことで、ゲームオーバーになったり、ギブアップを選んだときに最初からか最終セーブポイントからやり直すことができるというもの。やり直しをすると装備品や所持金、スキルを引き継いでプレイすることが可能で、前回にはなかった新たなイベントも追加されます。そのため、くり返し何度もプレイすることで徐々にシナリオに隠された謎が解明されていきます。 ゲーム全体はダークな雰囲気で難度が高い作品ですが、それだけにエンディングで描かれる空の景色には感動させられます。20年以上前のゲームではありますが、ほかの作品にはない唯一無二の魅力があるので、もしプレイする環境があれば皆さんにも遊んでほしいですね。