県産ナシ「加賀しずく」1箱18万円 初競り、過去最高値 大玉で甘み強く
県産ナシ「加賀しずく」の今季初競りは24日、金沢市中央卸売市場で行われ、最高等級「プレミアム」の1箱(6個入り、5キロ)が過去最高値の18万円で競り落とされた。今年で市場デビュー8年目となる加賀しずくは1個当たりの重さが平均約600グラムと大きく、酸味が少なく上品な甘さが特長。初競りで最高値を更新するのは3年連続で、品質向上に汗をかいてきた生産者は「来年も頑張ろうという気持ちになる」と喜んだ。 【写真】過去最高値の18万円で競り落とされた「加賀しずく」 約1200箱(6トン)が競りに掛けられた。糖度13度以上で大きさと形が整っているなどの基準を満たした「プレミアム」も18箱が出され、桐(きり)箱入りの1箱に最高値が付いた。 18万円で購入したのは市内の青果販売「フルーツ坂野」で、同社が片町で経営する青果店で展示した後、顧客にプレゼントする。坂野浩章代表(45)は「加賀しずくの中でも最高のひと箱。生産者を励ますためにも最高値を付けたかった」と笑顔だった。 そのほかのプレミアムは1箱6500円、秀、特秀は3500~5千円と例年並みの値が付いた。競りに先立ち、加賀しずく研究会の下田覚会長(59)らがあいさつした。 下田会長によると、今年は梅雨の雨と夏場の高温が重なり、例年より大玉で甘みが強く仕上がった。初競り後、下田会長は「今年も高値を付けていただきありがたい。生産者一同、来年も頑張ろうという気持ちになる」と手応えを語った。 今年は金沢、白山、加賀市の農家96軒が7・1ヘクタールで栽培。出荷は昨年より約10トン多く、過去最多の約70トンを見込む。9月中旬ごろまで続く見通し。