VWが本気でニュービートルをイジリ倒したバカッ速モデル! Rシリーズの第1弾「RSi」の存在感がヤバすぎる!!
Rチームのセンスの良さはインテリアにも健在
ボディやシャシーのスペシャライズに伴い、選ばれたエンジンはボーラなどに搭載された狭角V6(バンク角15°)、いわゆるVR6エンジンでした。が、2.8リッターのSOHCではもっさりしちゃってとてもRSiにはマッチしないということで、3.2リッターDOHCへとチューンアップ。 最高出力225馬力/6200rpm、最大トルク32.6kgm/3000rpmという性能を発揮することに。それでも、0-100㎞/h加速は6.5秒という公表値は「まあまあ」ってところでしょうか。 ところでVR6エンジンは、構造上、吸気ポートと排気ポート、およびエキゾーストマニホールドの長さを微妙に調節することが求められます。この際、RSiに搭載されたユニットは、ざっくり高回転型に仕立てられたため、意外なほど排気音が高音かつ高圧となり、サーキットなどではF1チックなサウンドを耳にすることができます。 VWの本気、「R」チームのセンスはインテリアにも存分に発揮されています。カーボン、アルミ、そしてレザーをふんだんに使ったコクピットは、まさに「男の仕事場」感マックス。 手動式ウインドウやセンターコンソールへと移設されたイグニションキーなど、ドライバーをその気にさせる演出もたっぷりです。 それでいて、4人乗りを守っているあたりは、VWの良心というか保守性が垣間見えるというもの。ポルシェなんかはリヤシートを省いてロールケージでも組みそうなところですからね。 なお、国内で販売されたのは45台ですので中古車は絶望的かと思いきや、3年に1台くらいの割合で出会える感じ。価格はそれなりに強気だったり、コレクターズアイテムなわりにそこそこ距離が出ているなどしていますが、300万~500万円てな相場かと。 また、ひとりだけオーナーにリサーチしたところ、「故障といえる故障はない」とのことで、普通のニュービートルと同じく「バッテリー上がりだけ注意していれば快調に走る」と、スペシャルカーといえどもさすがフォルクスワーゲンといったところでしょうか。
石橋 寛