遺族、当局監視下で慰霊 中国・四川大地震から16年
【都江堰、ブン川共同】8万7千人超の死者・行方不明者を出した中国・四川大地震の発生から12日で16年となった。「手抜き工事」が原因とみられる校舎倒壊で多くの子どもが死亡した四川省都江堰市の小中学校の跡地や共同墓地では、慰霊に訪れた遺族らの不満が再燃して抗議活動が起きることを警戒し、当局が監視を続けた。 共同墓地には地震発生時刻の午後2時28分(日本時間同3時28分)の前後に遺族が続々と訪れた。警察関係者とみられる約20人が周囲に目を光らせ、外国の報道機関の取材を制止した。 当時10歳の妹が小学校で死亡した同市の女性(34)は監視の目を避けて取材に応じ「大事な妹だったので毎年訪れている。もし今も生きていれば、仲良くできたのに」と語った。 約250人の児童らが犠牲になった同市の新建小学校の跡地にも、地震の発生時刻に20人ほどが集まった。 震源地のブン川県映秀では12日朝、倒壊時の姿を残した校舎前で追悼式典が開かれた。死者の名前が刻まれた施設には人々が続々と訪れ、菊の花や果物を手向けていた。