話題のホテルで極上ランチ パリ三つ星小林圭シェフのフレンチやテラスで楽しむグリル
■おまかせの逸品に日本の器がマッチ
ランチは3品、4品、5品、7品の4コース。そのつど旬の食材を仕入れているため、内容は当日のおまかせとなる。テーブルにメニューは用意されておらず、ゲストは皿が運ばれてくるまでどんな料理が出てくるのかわからない。そのサプライズがまた楽しい。 いざ料理がサーブされると、スタッフが食材や調理法、こだわりのポイントなどを丁寧に説明してくれる。口に含むと、いずれも繊細で奥行きのある味わい。クラシックなフレンチがベースになっているとはいえ、重さはまったく感じられず、むしろ軽やか。複雑な香りと食感、味わいが広がり、五感を心地よく満たしてくれる。有田焼や南部鉄器など、日本の美しい器が多く使われているのも印象的だ。 皿が運ばれてくるたび、食材や盛り付け、器など、どこかにほんのりと和のエッセンスを感じるランチは、小林氏がここ日本の地で手がけるレストランだからこそ味わえる魅力にあふれている。素晴らしいホスピタリティーを堪能するひとときは、忘れられない思い出となるだろう。
■京都の人気ホテルのダイニングでグリル料理をシェア
「エンバ・キョウト・チョップハウス」は2024年4月、「フォーシーズンズホテル京都」(京都市)にオープンしたメインダイニング。自家製熟成肉のステーキやシーフード、地元で採れた新鮮野菜を炭火焼きのグリル料理で楽しめる。 フランス、スイス、オーストラリア、中国などの数々のレストランで料理長や料飲部のディレクターを務めたのち、2022年4月から「フォーシーズンズホテル京都」の料飲部を統括するダレッサンドロ・ジョバンニ氏が「エンバ・キョウト・チョップハウス」のために特別に仕入れているのは、鹿児島県産黒毛和牛や熊本県産あか牛、また最高級のアメリカ産プライムサーロイン、オーストラリア産ラムチョップなど、世界各国のブランド肉。 ホテル内の専用の冷蔵庫で絶妙な加減に熟成された肉は、うま味がぎっしり凝縮。炭火焼きならではの香ばしい風味がかむごとに広がり、極上の素材と本場の技術の見事な共演に酔いしれる。 シーフードも負けてはいない。カキやカニ、ウニ、ホタテ、ロブスターなどをダイナミックに盛り合わせた「シーフードプラッター」、国産のズワイガニにハーブとレモン風味のタルタルソースをあしらった「エンバクラブケーキ」など、見た目も華やかで気分が上がるメニューがそろう。 店名の「エンバ」は、「宴」「炎」「縁」の3つの「エン」の場でありたいという思いが込められている。店内は開放感にあふれ、リラックスしたムード。ベジタリアンやペスカタリアン(菜食・魚介食主義)などにも対応しているメニューも充実していることから、多様な好みや価値観をもつ人たちが同じテーブルで心地よく食事を楽しめるのもいい。ひと皿ごとのボリュームも多いので、ここでは気の置けない仲間や家族と料理をシェアしながら、にぎやかなひとときを過ごすのが正解だ。 また、イタリア・シチリア島沿岸部出身で、生来おもてなしをすることが大好きというジョバンニ氏が太鼓判を押すのが、水辺のテラス席での食事。「800年の歴史と1万平方メートルという広さを誇る池庭を望みながらのランチは格別。京都市内でも類いまれな好環境を、美食とともにぜひお楽しみいただきたい」と胸を張る。 「フォーシーズンズホテル京都」の池庭「積翠園(しゃくすいえん)」は平安時代末期の武将・平重盛の別邸「小松殿」の園地と伝えられ、現存する貴重な文化遺産。四季折々の美しい景観が目を楽しませてくれる。猛暑がピークを超え、少しずつ涼しくなってくるこれからの時期には特におすすめだ。