地元の味覚が楽しめる“役所メシの旅” ── 東村山市役所「黒焼きそば」
食堂が黒焼きそばをメニューに加えたのは、平成21(2009)年。市の担当者によると、ポールスタアと市内の飲食店60数軒が黒焼きそばソースを使用したメニューのキャンペーンを企画した際に、「町おこしの一環として市でも黒焼きそばを提供して盛り上げよう、ということになり、食堂に依頼しました」という。 それから7年、食堂では人気メニューに。食堂の運営会社である「レパスト」の寺村義則所長は、「黒焼きそばは1日平均10食は出ます。メニュー全体でも1日あたり170~180食ですから、比率としてはかなり大きいですね。人気メニューのカレーが1日12~13食ですから、カレーに匹敵する存在ともいえます」と評価する。
「今や、黒焼きそばはご当地グルメとして定着しており、多くの人が知っています」と市の担当者は話す。市では、市内小中学校の給食メニューにも黒焼きそばを取り入れるなど、官民あげてこのご当地グルメを育んできた。 黒焼きそばのような地元生まれの味覚について、市は「市民にとっては市への愛着心を生み出す効果が期待できるほか、市外の人が訪れる契機になるなど、産業の振興にもつながるので、市にとっては絶対に切り離せない存在」と説明する。市では、ほかにも多摩湖梨など地元の味のブランド化に取り組んでおり、第2、第3の黒焼きそば誕生に期待をかける。 食堂は平日午前11時~午後3時営業で、定休日は土日祝日。東村山市役所へは、西武新宿線「久米川駅」北口から徒歩約7分、同新宿線および同国分寺線「東村山駅」東口からだと徒歩約12分。 (取材・文:具志堅浩二)