マイナス0.5差で楽天首位の珍現象を生んだ「8試合差」はどう響く
「8試合差」と同時に優勝の行方を握るのは14試合残っている直接対決だ。 楽天は、2番にペゲーロを入れる破壊力のある打線でソフトバンクの投手陣に恐怖を与えた。岩崎ーサファテの必勝リレーを、あと1本出れば、というところまで追い詰めた。しかも、2017年型楽天打線の象徴だった「1番・茂木」を故障で欠いて、この迫力である。防御率0.00の福山と、2日のゲームでは8回投入の奇策に失敗はしたが、松井裕のストッパーにつなげる2イニングは磐石である。7回にも高梨雄平、ハーマンらの新戦力が控えていて、打線だけでなく勝利の方程式が確立している。 「先発に岸が入ったことが投打ともにチームに余裕を生んでいるように見える」と池田さん。2桁奪三振の連続試合記録を作った則本、岸の2枚看板がいれば、大型連敗も考えにくい。 一方のソフトバンクも、武田、千賀が先発ローテーションに戻ってきて、内川も戦列復帰するなど、メンバーが揃ってきた。「打てる強肩キャッチャーの甲斐」という計算外の戦力も急成長。昨年、ケガの影響もあった不振だった柳田も完全復調してトリプルスリーどころか3冠を狙う勢いである。 「ソフトバンクは決して戦力が整っているとは言えない状況で、交流戦で勝率1位を獲得した。今回の楽天との1点差ゲームもそうだが、ここ一番で紙一重で勝っていくというチームとしての勝負強さが、昨年のチームとの差に見える。おそらく昨年の悔しい経験が今年につながっているのだろう」 池田さんも戦力が充実しているソフトバンクのさらなる“アップデート”に目を見張る。 「8試合差」を巡る両チームは、前半戦最後となる11、12日にヤフオクドームで直接対決する。