世界は「ライドシェアの次」へと向かっている…!イーロン・マスクの「タクシー業界征服戦略」が判明!テスラの「AIタクシー」に秘められた「ヤバすぎる実力」
テスラは「オーバースペック」をあっさり捨てた…!
テスラの狙いその2:420kmしか走れない車の方が市場競争力が高い さて、そのサイバーキャブですが本体価格の安さや見た目の小ささを考えると、冒頭にお伝えしたように、連続走行可能距離はテスラのモデル3などテスラの市販車よりも短くなることは確実だと思われます。 仮にモデル3の4分の3の距離しか走れないとすれば、サイバーキャブの走行距離は420kmということになります。 一方でテスラの市販モデルで一番長い距離を走ることができるのはテスラの高級車モデルであるモデルSで、その走行距離は840kmとその倍の距離になります。 ここで疑問を感じるかもしれません。業務用のロボタクシーなのだから、スペックはむしろモデルSに寄せて設計するべきではないのか?という疑問です。 ここが非常に重要なところなのですが、実はこの疑問、直感と反対の答が正しいのです。つまり840km走れるロボタクシーよりも420kmしか走れないタクシーの方が、タクシー事業者としては儲かるのです。なぜなら840km走れるロボタクシーの販売価格はおそらく倍の6万ドルに達するであろうからです。 物凄く簡単な話なのですが、みなさんがタクシー会社を経営しているとして、6万ドルの投資で長距離を走れるロボタクシーを1台導入するのと、短い距離しか走れないロボタクシーを2台同時に投入するのと、どちらが儲かるでしょう?一日あたりで考えれば当然、2台投入したほうが1台よりも2倍儲かります。 「でも充電時間を考えたら?」 と思うかもしれませんが、充電時間を考えても結論は同じです。 テスラが誇るスーパーチャージャーではカタログスペックで15分の充電で最大282km分を充電できます。たとえばサイバーキャブでは残りの距離が150kmを切ったら自動的に最寄りのスーパーチャージャーに行って充電するような運用が必要でしょう。そこで15分休憩して満充電したらまた町で出ることにします。 それが仮に倍の走行距離だったらどうでしょう?最大走行距離が840kmのロボタクシーだったら充電なしで700kmぐらい走ってから充電に戻ることにしても大丈夫です。これだったらサイバーキャブの2.5倍の時間、ロボタクシーとして稼働することができます。 一見、生産性が高いように見えますが、それでスーパーチャージャーに戻ったときには、充電時間はというとサイバーキャブの2.5倍の充電時間がかかるのです。 その間に航続距離が短いサイバーキャブは15分ずつ3回に分けて充電しては、こまめに仕事に出かけています。つまり航続距離が長かろうが短かろうが、ロボタクシーとしての稼働時間にたいした違いは出てこないのです。 この想定では生産性を考えるにあたって、唯一考慮しなければいけないのは長距離の客だけです。400kmよりも長距離を乗る顧客だけはサイバーキャブだと途中で充電が必要になるので、今のスペックではダメということになります。その実害は?というと、ほとんどありません。タクシーで400km乗る人はまずいないのです。 私が車社会のアメリカの西海岸に住んでいた当時、自宅はシリコンバレーの南にあるサンノゼ市のさらに一番南の場所でした。そこからサンフランシスコに向かうと車で1時間はかかる距離です。距離にして90kmなのですが、これがサンフランシスコ地区にロボタクシーを配置したときに想定される、顧客による最長の移動距離でしょう。 都内でタクシーに乗ることを考えたら、航続距離はもっと短くて構わないこともわかります。新宿副都心から羽田空港でも距離は25km程度です。ロボタクシーの利用者の大半は30分以内の乗車時間で、移動距離も10km程度でしょう。 つまりタクシーは自家用車よりもずっと短い走行距離でもビジネスには実用的であり、かつEVで考えたら走行距離が長くても短くても稼働時間は同じ。むしろ本体価格が安いことが最大のメリットになるのです。
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