高齢者専門の運転免許施設 全国初、埼玉にオープン
高齢者が運転免許の更新時に受ける講習や検査を専門に行う全国初の施設「岩槻高齢者講習センター」が27日、さいたま市岩槻区にオープンした。埼玉県警が運営。高齢ドライバーが自分の運転能力を把握できる機会を増やすことで、免許返納の必要があるかどうかを適切に判断し、学び直しや交通事故防止につなげる狙い。 【表】「高齢運転者と危険運転者を同一視するような差別的なイメージは誤り」 日本老年学会が高齢者の自動車運転に提言
70歳以上は免許更新の際、実車指導などの講習を受ける義務がある。さらに75歳以上は記憶力や判断力を測定する認知機能検査が必要だ。 県内では従来、こうした講習や検査を自動車教習所や運転免許センター計54カ所で実施していた。ただ県警によると受講希望者が増え、申し込んでからの待機期間が長期化。4月末時点では約30日間にも上り、高齢者から「長すぎる」と不満の声が上がっていた。 新たな施設では、講習と検査を合わせ年間延べ約7万5千人の利用を見込み、待ち日数の短縮が期待できる。施設には実車指導のコースを併設。病気や障害などで運転に不安がある人が、ハンドルやペダルを適切に操作できるかどうかを検査する装置もある。