ニッケンフェンス&メタル、小動物侵入防止柵「JIZAI」を拡販。高い勾配対応力と施工性・人手不足対策にも威力
日鉄建材のグループ会社、ニッケンフェンス&メタル(社長・古川武彦氏)は小動物侵入防止柵「JIZAI」を改良し、積極的な拡販を進めている。30度までの傾斜に対応可能な自在柵でメッシュフェンスの強靱性とひし形金網の施工性を兼備。近年頻発する小動物の道路などへの侵入防止に大きな効果を発揮するほか現場で即設置可能で省力化・省人化にもつながる。市場の評価は高く、新東名高速道路やジブリパーク(愛知県長久手市)、国営ひたち海浜公園(茨城県ひたちなか市)などにも採用。ユーザの声に応じて金網のずれを防止する改良も実施した。今後、NEXCO各社や自治体などへ積極的にPRし、さらなる普及・拡大に努めていく方針。 本製品はクリンプ金網を用いた製品で、ハクビシンやタヌキ、鹿、猪などの小動物の侵入を防ぐ。従来、NEXCOの立入防止柵はひし形金網が標準だが、小動物を防ぎきれないことからメッシュフェンスのニーズが高まっていた。しかし、小動物の発生は山などの傾斜地であることが多く、予め交差箇所が溶接により固定されているメッシュフェンスの設置には綿密な現地調査や傾斜に合わせた割付図の作成など労務負担が大きかった。 本製品は縦横の線材交差ポイントを面にするなど接合剛性を最大限強化。また、縦の線材を2本の横の線材で挟むことで30度の傾斜まで容易に変形できるほかパネル剛性が高く自立することから、施工や現地調査を迅速に実施可能で意匠性も高い。04年の販売開始から200キロメートル以上の採用実績を有し、中でも新東名高速道路の静岡工区は国定公園でもあることからほぼ工区全体で採用され、設置延長は170キロメートルに及ぶ。さらに、線材を波型から鉤型へと改良しギア構造とすることで、線材のずれにより外れることを防ぐ改良を施した。NEXCO総研の動物侵入対策の研究にも提供し効果を検証し、2012年から改良版の販売を開始した。 小動物は近年、山から人里に降りてくるケースが増え、「ロードキル」による交通事故も深刻化している。本製品は下部の網目を密にしているほか地面に突き刺すことができるため小動物の侵入を抑制できる。また、高さはNEXCO標準の1・5メートルに加え2・5メートルのサイズもあり、鹿が飛び越えることを防ぐ。本製品の普及を図ることで、道路や施設などの安全・安心に貢献していく方針。