1カ月以上もスーパーに閉じ込められたオウム、救出劇が話題(豪)
オーストラリアではこの1カ月、あるオウムの救出劇に国民の関心が寄せられていた。大手スーパー「Coles(コールス)」のキャンベルタウン店に、キバタンという種類のオウムが迷い込んでしまい、そのまま店内で暮らしていたのだ。 【画像】1カ月以上もスーパーに閉じ込められたオウム
豪ニュースサイトNews.com.auによると、オウムは搬入口から入ってきたという。
店を気ままに歩いて飛び回るオウムは、次第に客の人気を集め、ミッキーと名付けられた。
ミッキーは約4週間、店長が店を閉める際に置いていく水とブリオッシュで命を繋いでいた。
天井が高すぎて捕獲用のネットを張れなかったり、店内にエサが豊富なためミッキーを食べ物で誘き寄せられなかったりと、捕獲作戦は難航した。
一時はミッキーを殺処分する計画もあったが、市民や動物愛好家の猛反対を受け、中止に。
コールスの従業員、シドニーやニューサウルスウェールズ州の野生生物局、オーストラリア最大の野生動物保護団体「WIRES」などが協力し、なんとか店内からミッキーを追い出すことに成功した。
ところが、ミッキーはコールスがある商業施設内に留まった。結局、またコールスに出入りする始末に。
そこで、近くの鳥類保護施設「フェザード・フレンズ・バード・サンクチュアリ」の代表、ラヴィ・ワサン氏が出動した。
彼の元に、「ミッキーを助けて!」と多数のメッセージが届いたという。
10月22日、ワサン氏はミッキーの緊張を解くため、バード・サンクチュアリからメスのキバタン「ドリスばあさん」を連れてきて施設内に放した。
2匹はすぐに打ち解けてじゃれ合ったという。人に慣れているドリスばあさんを介して、ワサン氏はミッキーに近づくことができ、やっと捕獲に成功した。
ミッキーは1カ月に渡るスーパーでの生活に終止符を打ち、バード・サンクチュアリに運ばれた。
ワサン氏は情報番組『トゥデイ』の取材に対し、「じきにこの辺りでミッキーを放す予定です」と語る。
「キバタンの群れがよく通るので、タイミングを合わせてミッキーを解放します。おそらくミッキーも同じ群れの出身のはずです」
度重なる捕獲作戦で怯えていたというミッキー。自由の身になっても「きっと二度とスーパーには入らないでしょうね」とワサン氏は締めくくった。