成海璃子、『全領域異常解決室』で“鍵を握る”存在に 後半戦から増した二宮のの子の存在感
『らんまん』『となりのナースエイド』などで主役級の存在感を放った成海璃子
近年は『警部補ダイマジン』(テレビ朝日系)やNHK連続テレビ小説『らんまん』、『となりのナースエイド』(日本テレビ系)など、バイプレイヤーとしての出演が増えているが、その中でも成海の存在感は主役級のものを放っている。それは『全領域異常解決室』も例外ではない。『アイのない恋人たち』(ABCテレビ・テレビ朝日系)で演じた冨田栞も表情豊かで時には感情的な一面もあるキャラクターだったが、本作での二宮は怒りの感情が突出しすぎている。成海の淡々と言葉を紡いでいく感じもとてもいい。作中でもかなり異質な役なだけに、バランス感覚を取るのが極めて難しいに違いないが、成海は絶妙な塩梅でいいアクセントを加えていた。成海はインタビューの中で、「ここまで口調が強い役は経験したことがなかったので、新鮮です(笑)」と語っているように、ここまで刺々しい役は見たことがない(※)。 放送が始まった当初から、蛭子命(ヒルコノミコト)が祀られている蛭児神社が「にのみやさん」の愛称で親しまれていることから二宮がヒルコではないかという考察が行われていたが、第9話まではその素振りは一切見せず、あくまでも興玉たちの協力者として影を潜めていた。だが、第9話のラストでは「愚かな人間たちを“選別”して、新たな世界を創らなければならない」と、自らがヒルコであるかのような発言で視聴者を驚かせた。まだ操られている可能性も否定できないだけに、二宮がヒルコであると断定するのは時期尚早かもしれないが、最終話では間違いなく二宮が鍵を握ることになるだろう。 『無伴奏』で見せたような、人間の生々しい感情の発露こそ、成海の魅力だと思う。これまでは成海の偏った一面しか見られなかったが、最終話では多彩な表情を浮かべる成海が見られるかもしれないと密かに期待している。 参考 ※ https://realsound.jp/movie/2024/10/post-1809485.html
川崎龍也