ミキハウスの木村皓一代表取締役社長（右）から表彰を受けるレスリングの樋口黎＝９月、大阪市内（榎本雅弘撮影）

パリ五輪のレスリング男子フリースタイル57キロ級で金メダルを獲得できました。約2カ月がたちますが、家族との時間も過ごせたし、スポンサーの方々へのあいさつや、メディア出演も多くさせていただき、たくさんの方々に応援していただいていたんだなと感じる機会が多くありました。 五輪はすごく緊張していたのですが、思っていた以上にいつも通りの感覚で挑むことができました。「もうこれ以上、何もやることはない」というくらいの準備できていて、何も心配することなくマットに上がれました。減量もすごくうまくいきましたし、現地では日本食のサポートもあり、日本での試合と変わらないくらいの状態で、高いパフォーマンスを出すことができたと思います。 帰国してから、日体大で同級生だった文田健一郎選手や後輩2人と金メダリスト4人で、おそろいの腕時計を買いました。パリ五輪モデルで事前にこれを買おうと話していたので、実現できてよかったです。 男女で金メダル8個を含むメダル11個を獲得したことは歴史的な快挙だと思うので、これをうまく生かし、4年に1度のブームで終わらせないようにしたいです。子供たちにもっと身近に感じてもらえるようにしたり、もっとルールが簡単に分かるようにしたり、広く普及させていかないといけない。それは今回の代表選手たちとも話しています。メダルをたくさん取れたことをさらに意味のあるものにしていきたいです。 五輪に向けて、どの試合も常に五輪の決勝戦のつもりで試合に臨んできました。これからも今回のパリ五輪と同じように、1試合1試合で高いパフォーマンスを出すことにフォーカスしていきます。 レスリングは大好きで、世界で一番強いことが証明されたばかりなので、今やめるのはもったいないと思っています。高いパフォーマンスを出せる限り、やり続けるつもりです。社会に貢献できる人間力を兼ね備えたアスリートになっていきたいと思っています。（談） ミキハウススポーツクラブの選手が自身の活動を通して競技の魅力などを発信します。