<転スラ>酔ったリムルがレアで可愛い… 宴会ならではのコメディシーンもたっぷり
サラリーマン・三上悟がスライムのリムル=テンペスト(CV:岡咲美保)として異世界に転生、さまざまな種族が共に暮らせる理想の国作りに奮闘する「転生したらスライムだった件」(毎週金曜夜11:00-11:30ほか、日本テレビ系ほか/ABEMA・ディズニープラス・FOD・Hulu・TVerほかで配)。2021年以来となるTVアニメシリーズ第3期では、「魔王達の宴(ワルプルギス)」を経て正式に魔王となったリムルの元へ、魔物を敵視する神聖法皇国ルベリオスの聖騎士団長・ヒナタ(CV:沼倉愛美)が訪れる「聖魔対立編」が描かれる。第59話(第3期11話目)は、「七曜」を殲滅したリムルたちが、ヒナタたちと和解する様子を描いた「和解と協定」。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】珍しい表情も続々! ヒナタ含む宴会シーン(他、「転スラ」59話場面カット) ■前話の激しさから打って変わり、穏やかな会議シーンへ ファルムス王国における工作の失敗、さらにはリムルとヒナタの停戦を受け、ロッゾ一族のグランベル(CV:小野大輔)と東の商人・ダムラダ(CV:浪川大輔)が密会。どちらも自分の役割を十分に果たせなかったふたりだが、ここは痛み分けとして、双方の失敗は水に流すことに。しかし、引き続きリムル陣営の発展を阻止したいグランベルと、リムルと対立する気はないダムラダでは思惑が少し異なっており、両者はやや禍根を残しつつ、いったんの幕引きとなった。一方テンペストでは、ルミナス・バレンタイン(CV:Lynn)を筆頭とするルベリオスの幹部たちが、リムルたちと会議の卓を囲んでいた。ヒナタは自分がダムラダから嘘の情報を信じ込まされ、リムルに敵対心を持つに至った経緯を話し、利用されていたことを認める。クレイマン(CV:子安武人)の件も含め、一連の事件の裏には「あの方」という黒幕がいることが確定となるなかで、リムルは「七曜」が黒幕ではないかと疑う。しかし、生き残っていた最後の「七曜」が始末されたという報告を受けたリムルは、「これで一安心だな」とリラックスするのだった。 激しいバトルが続いた前話までとは打って変わり、今回からは再び「会議」が続く平常運転。両者の誤解やすれ違いが解消されたあとということもあり、緊張感はさほどなく、どちらかと言えばゆるい雰囲気で進行しているのが印象的だ。それでも、七曜の生き残りである日曜師グランの正体がロッゾ一族のグランベルで、もともとは「光の勇者」だったなど、新たな情報も登場。なかでも七曜の老師たちがルミナスからの「愛の接吻(ラブエナジー)」によって老化を食い止めていたことが分かるシーンでは、アイドルばりに投げキッスをするルミナスのイメージカットが挿入され、これにはSNSでも「これは破壊力抜群!!」などと盛り上がっていた。 ■激しい戦闘の末、新しい恋が花開く!? 「七曜」が黒幕と結論づけたリムルは、ユウキ・カグラザカ(CV:花江夏樹)を疑うところだったとポロリ。ヒナタはこれに「絶対に違うとは言い切れない」と反応し、さらには黒幕が滅んだと考えるのも早計だとリムルをたしなめる。そして会議は、これから先の両国の関係の話に移っていく。今回の件は完全に自分たちに非があると言うルミナスに対し、リムルは国交の樹立を提案し、ルミナスはこれを受け入れる。そのうえで、魔物を敵対視する西方聖教会の教義を信じている自国民へのケアのため、リムルとヒナタが相討ちとなったこととし、さらには人間と争っていない武装国家ドワルゴンも巻き込んで勇儀を結ぶというシナリオを構想し、和解と協定の会議は幕を下ろすのだった。 会議シーンの後半は、やや難しい話が進行しつつも、ヴェルドラ=テンペスト(CV:前野智昭)がいじられキャラとしていい味を出していた。ルミナスに敵意を向けられながら「我、悪くないもん」と呟くくだりはもはや新しい定番となりつつあるし、さらに今回はリムルもディアブロを交渉の材料として使うなど、ふたりにすっかりおもちゃにされているのが可愛い。また一方では新たな関係性も立ち上がった。「聖騎士団(クルセイダーズ)」の一員として会議に参加しているリティス(CV:相川遥花)は、先の一戦ですっかりソウエイ(CV:江口拓也)に惚れてしまったようで、終始頬を赤らめながら話すなど、乙女そのもの。これにはSNSでも「あの一戦でなにがあった?w」「ソウエイがモテモテだ」などの声があがっていた。 ■お酒に酔うリムル、キレるヒナタ…宴会ならではのコメディシーンも 帰り際、「出発は明日にしたらどうだ?」というリムルの社交辞令を真に受けたヒナタたちは、昨日に引き続き連日の宴会へと突入。ルミナスから「毒無効」を弱めるやり方を習っていたリムルは、お酒に酔える幸せに浸るが、ヒナタから日本食の再現度の高さを褒められると、酔いのせいでだんだんと調子に乗っていく。今後のテンペストの展望をはじめ、開発中の新技術によって各国をネットワークで結ぶ計画までをペラペラと話してしまったリムルは、「智慧之王(ラファエル)」の判断で「状態異常無効」を再起動されてしまう。ともあれ、こうして友好を深めあったその後日、ルベリオスはドワルゴンの存在を認め、テンペストとの国交を樹立するに至るのだった。 転スラではおなじみの「会議」のあとの「宴会」だが、今回はお酒に酔った珍しいリムルに注目。意気揚々と国家秘密レベルの計画を話してしまい、強制的にラファエルから酔いを消されてしまうリムルがなんとも可愛い。ほかにも、白米を見て感動のあまり涙を浮かべたり、肉を奪われてキレるヒナタなど、宴会ならではのコメディシーンも光っていた。さらには「天使」の存在について、さらなる情報が更新されたことも見逃せない。天使とは「一定以上に都市が発展すると攻撃してくる存在」らしく、まだ詳しいことは分からないものの、この世界にまたひとつ、不気味な存在が現れたとも言えるだろう。 ■黒幕が判明するも、謎は深まるばかり? 一方、ユウキの部屋にはダムラダが訪れていた。ユウキは今回の結果を受け、リムルたちを正面から相手にするのは愚策だと判断し、しばらくのあいだは静観することを決める。ダムラダが退室すると、続けて入ってきたのは中庸道化連のカザリーム(CV:石川由依)。元魔王ながら、現在はユウキの秘書として仕えるカザリームは、自らの名前を封印し、これからは「カガリ」と名乗ることをユウキに告げるのだった。 最後は黒幕サイドの描写。ダムラダに背後にいたのはやはりユウキであることが判明したが、それでも真の目的はまだまだ見えてこない。多くの国や組織に介入して操る有能さを持ちつつ、「駆け引きを楽しみたい」という遊び心も持ち合わせているユウキは、なんとも捉えどころのない人物。ここでの会話ではさらに「オルドロス」や「エキドナ」といった新ワードや「奴隷売買」の話が登場するなど、謎は深まるばかり。これにはSNSでも「ユウキ、真っ黒だな」「でもこの笑顔に騙されちゃうんだよね」などの声があがっていた。さて次回第60話(第3期12話目)「開催準備」は6月21日(金)放送予定。期待して待とう! ■文/岡本大介