米FRBの利下げ決定で市場はどう動くのか? ソフトランディングの利下げは株式にも債券にもプラス
そして、利下げのマーケットへの影響については、「利下げ開始時に景気がかなり悪化しているか(ハードランディング・シナリオ)か、より穏やかな状況か(ソフトランディング・シナリオ)によって異なっていた。そして、現在の状況はソフトランディングを示唆していて、「株式リターンはプラスで、金融環境は緩和ないし緩和されつつある」という見方になる。むしろ、「現時点で市場が織り込んでいるFRBの政策金利の最終到達点は3%~3.25%前後。これはソフトランディングに見合った水準で、ハードランディングの可能性はほとんど織り込んでいないようだ」と分析する。そして、今後の米国経済成長に対するFRBの見通しについて、9月会合で発表される最新の経済予測をしっかりウオッチすることが重要としている。
一方、仮に経済がハードランディングしたとしても、その際には中長期債は好調に推移し、歴史的にみると「特に景気が低迷した場合に、利下げサイクル局面で良好なパフォーマンスを発揮する傾向が見られる」と債券投資にはプラスの局面になる。
また、為替については、「米ドルは、少なくとも一時的に下落する傾向がある。ハードランディングとソフトランディングの両方を含む過去の緩和サイクルでは、米ドルは平均して下落するものの、利下げ開始後数カ月で回復する傾向がある。政策の正常化に伴い、米ドルは高利回り通貨としての地位を失い、緩やかなドル安が進む可能性があるとみている」と見通している。
現在の債券利回りについては、「名目およびインフレ調整後の実質の両方で依然として魅力的であり、FRBの利下げ開始に伴い債券の上昇余地が広がるとPIMCOは考えてる」と結論している。(グラフはPIMCOが運用する債券ファンドのパフォーマンス推移)
ウエルスアドバイザー